このサイトでこれまでに何回かご紹介しているstockcharts.comのなかの
Dynamic Yield Curve...これはすぐれものです。
http://stockcharts.com/freecharts/yieldcurve.html

イールドカーブ、日本語でいえば「利回りの期間構造」といいますか、わかった
ようなわからないような言葉ですが、国債と一口にいっても超短期のものから超長期
のものまであるわけで、その期間のちがいにより利回りも違ってくるのですがそうした
期間と利回りの関係をプロットしたものです。

このページで非常にユニークなのは右側にS&P株価、左側にイールドカーブが表示して
あって、しかも2005年からの株価水準とその時点でのイールドカーブの形状が比較できる
ことです。S&Pが2006年から急上昇して景気に過熱感が漂っていたとき、イールドカーブは
その後の景気後退を既に予想していて逆イールド、またはフラットニング形状になっていた
ことが見て取れます。下に2006年後半の状況をアップしましたのでご参照ください。
$Tiger's  Aggressive FX Traidng 2

その後、周知の通りサブプライム危機が起こり、2009年のリーマンショックへと連なって
いくのですが、当然利回りは全体的に大きく下落。QE(量的緩和)も第3次まできてます
もんね。その間、ツイスト・オペレーションと称してFEDは買い入れ国債の対象をより短期の
ものから長期の国債へと手を広げていることもあり、順イールドのある意味正常な形状ながら
長期の利回りが少しつぶれたような形となってます。

かなり乱暴ながらここ8年のイールドカーブの動きを見たわけですが、先ほどのページで
アニメーションが表示されるのでとにかく実感してみてください。

さて、そうこうするうちにS&P500株価指数は1400のポイントを超えてきており、207年当時の
最高値圏に近づこうとしています。なのに金融政策は其の当時と今ではまるっきり異なる
ことから今はまだ低位安定...当然ですね、今はゼロ金利政策を進めているわけですから。

要するに株価はこんなに上がっているのに利回りの世界からは景気の過熱感は見えてきて
いないのです。 考えてみればFEDの長期的政策目標は物価の安定と持続的な経済成長と
雇用の安定の2本柱になっていて、株価水準が金融政策の決定要因であるわけではないん
ですね。財政の崖の問題について政府予算の強制削減措置についての協議は2月まで
持ち越しとなっている今、ある意味債券市場は真空状態、逆に株価については日本の
アベノミクスや中国の貿易データの拡大、ユーロ圏の財政問題が小康に向かっていること
など外的要因にもサポートされているようです。企業業績の発表シーズンに入っていますが
業績予想の大幅下方修正が相次ぐということでもなければ株価自体は堅調に推移するの
ではないかという気がしています。