子供時代編
父親は明治生まれ。自分が子供の頃に父親から受け継い
だ家庭教育を行う。
つまり、江戸時代の家庭教育なのだ。
幼稚園の頃だ、毎日のようにある時間になると正座して父
親の前に座り、論語を読む。
声を出して読むのだが、すべて漢文なので当然読めない
感じを絵のように覚えて、父親が読むあとを続く。
苦行だ。
一通り読むと、父親の解釈を聞く。
その解釈も復唱する。
何度となくやって、どうも覚えたようだ。そう父親が思うと
終わりになる。
終わると、畳に五円でてくる。
待ちに待った五円だ。その五円がほしいばかりに苦行に
耐えてきたのだ。
五円ももらった瞬間に、今日の論語は忘れてしまう。
父親から教わった論語を近所の人に言うと関心される
それで、得意になっていた。
子供の頃の家族教育はとても大切だが、私の場合に
は早すぎたような気がする。
今となってはほとんど覚えていない。しかし、漢字がた
くさん書いてあるお経や中国の古典などをみると不思
議なもので心が落ちつく。
我が家の家風には、江戸時代が息づいていて、その
影響が一生続いているようだ。


