いまさらながら思い出すことは次兄の事
次兄は、高校では野球部のエースで4番
まあ、何処にでもある話かもしれない
しかし、この高校は文武両道ではあるけれども
特に野球部の投手は最低でもクラスでの学力は5番以内が必須で入っていないと
この学校のエースを張れない決まりである
だから、いつも勉強をしていた
中学の時は勿論のことエースで4番
多摩地区での優勝投手で同じチームには、元プロ野球HCのショートTYがいる
次兄は、中学での最終学力テストで学年トップで卒業した
高校では野球をやるつもりはなく、体操部に入った
何故なら、北海道に憧れを持ち
北海道大学の医学部を目指していたからだ
184㎝の体格で体操部に入った次兄は当然のことながら目立つ存在
何故なら、体操の選手はみな小柄で184㎝もある選手はいない
そんな体格でバク転や吊り輪などをこなし
逆三角形も甚だしいくらいの筋肉
そんな次兄がひょんなことから友人3人と遠投の遊びをしていたとき
校庭の端から端まで約120m
次兄以外は、野球部の投手と陸上部(?)の友人である
筋骨隆々の、しかも184㎝から繰り出すその球は校庭の柵を超えて
どこかに行ってしまったのである
驚いた他の2人は目を丸くして
野球部の友人は、その時初めて多摩地区で優勝したことのあるチームのエースだったことを知る
これだけの距離を投げられる投手は、当時の東京都内に1人いるかいないか
当然、まともに投げたらどれだけのスピードが出るかすら未知の世界
野球部の友人は、すぐに監督のもとへ走っていき
このことを報告した(スパイか!)
野球部の監督という立場は、学校内でも権力のある立場であって
他の先生たちからも一目置かれている
監督が、その話を聴いて
本当かどうかを確かめに次兄のところへやってきた
次兄は、遊びのつもりで投げたこの一投が
高校生活残りの3分の2を変え、人生を狂わせたのである
⇒ここで遠投の遊びをしていなけレバー
そして、野球部の一人が捕手を務めて次兄に投げさせた時の監督の驚きは
次兄から聞いた話からも相当だったらしい
しばらく野球から離れていたとはいえ
そのスピードに加えてコントロールの良さ
しかも、肩慣らしもほどほどにして何となく気を入れて投げたら
早すぎて捕れない、すぐにレギュラーのキャッチャー3年生を呼んで
やっと捕れたとのこと(授業はとうに始まっているというのに、話を聞いた生徒たちの人だかり)
足腰の強さは、中学の時から鍛えていたベースをもとに
体操で鍛えた筋肉が、その身体を支えていたのだった
それから、毎日
野球部への入部勧誘功勢が始まり
当然のことではあるが監督から体操の顧問へは
(かなり強引に)話はついており
家にも電話が何度もかかってきた
たまたまこの時期の保護者面談のとき、親父とお袋が学校に行った時の
監督の説得がすごかったらしい
親父は次兄を医学部に行ってもらいたいと思っていたのにもかかわらず
監督の口車にのって気を良くしてしまい
結局、入部することになってしまった
その時の親父の意志の弱さには驚いてしまった
⇒次兄ももっと自分の意思を強く持って野球か医学部かを決めていレバー
神は2物を与えたもうたのである
あれだけ、勉強にうるさかった親父が・・・どういうわけ?
それからというもの、学校内ではその話が蔓延し
ただでさえモテモテの次兄が
話にならないくらいモテモテモテモテになってしまった
to be continued
「前へ」