こんにちは。

お片付けチームTidytree(タイディツリー)の赤嶺知矢子です。

 

 

私は、

お片付けに行動経済学を組み合わせて

 

「お片付けに向かえない理由」

「なんだかモノが増える理由」

「望んでないのに気付いたら同じ選択をしてしまう理由」

など自分にとってのマイナスと、

それをプラスに変えるための

「片付けに向かえる仕組み」を知って、

『お片付け』への苦手意識からスーッと抜けられるような

考え方や方法をお伝えしていきますので

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

さて、「行動経済学」は聞き慣れない方も多いと思いますので

簡単にご説明しますね。

 

 

行動経済学とは

心理学と経済学が合わさった新しい学問です。

 

行動経済学を知ると

この社会が如何に巧妙に自分を動かしにかかっているかが分かります。

 

Amazonで買いすぎてしまうことも

Netflixでエンディングが流れないことも

TikTokで時間を溶かしてしまうのも

スーパーで予定外に買ってしまうのも

ぜーんぶ行動経済学で説明できます。

 

逆に言えば、

この世の中のビジネスの仕組みを知っていれば

望まない自分の行動を防げることもたくさんある、

ということです。

 

 

こちらのブログで行動経済学についてはもう少し詳しく説明しています。

片付けと行動経済学を掛け合わせる意味についても

お分かりいただけると思いますのでもしよろしければご覧ください。

 




 

さて。

今日は人が意思決定をしている思考モードについてお話します。


 

人が何かを決める(選択する)時、

2つの思考モード(システム)を使い分けています。

 

システム1/直感・瞬間・スピード

システム2/熟考・注意深く分析・時間をかける

 

 

分かりやすく説明しますね。

 

 

〇システム1/過去の経験を踏まえて直感で選ぶ。

 

たとえば忙しい朝、洗濯をして家族の朝食を準備しながら

自分の出かける支度もするのに、

冷蔵庫を覗きながら朝食のメニューを

「なに作ろう?」なんて考えていられませんし、

自分の着る服をあれこれ着て鏡を見ては選び直すなどできません。

バタバタといろいろなことに追われているのに加えて

子どもから「あれが見つからない」なんて言われたとしても

「大体この辺!」にありますよね。

 

過去の経験を基に瞬間的な意思決定をするのがシステム1です。

 

 

〇システム2/「注意」をしながらシステム1を精査する


予定があり電車の時間が差し迫っている時

玄関で履き慣れたシューズを履いた瞬間、

「今日は大事なお客様と会う」ことをはたと思い出し

キレイめなパンプスに履き替えて家を出る。

 

システム1を使って直感的に決定したことを

精査し直すのがシステム2です。

 

 

人の1日の意思決定の回数は35,000回と言われているそうです。

なので人は、基本的にシステム1を使った意思決定をしています。

 

いちいち熟考していては生活が成り立ちません。

 

ただ、システム1は直感と経験に頼ったシステムなので

自分の選択の「クセ」が大きく出やすいという欠点があります

 

これが、人が同じ選択を繰り返してしまう理由です。

 

だから、同じことを繰り返したくない場面では

システム1(直感)で終わらせず、はたと立ち止まり

追加でシステム2(精査)を発動させると

システム1(直感)での選択を精査

自分にとって本当に良い選択ができるでしょう

 

 

では!

ここでお片付けと組み合わせてみましょう。

 

 

私の経験上、たくさんのお客様を見てきて

確信していることがあります。


ほとんどの方が「やればできる」し

そういう人の方が圧倒的に多い!という事です。

 

『片付け』とは「いる・いらない」の作業が90%です。

これが出来れば、モノは少なくなるし

モノが少なければ収納も困りません。

収納をどうするかは趣味の範疇です。ばっさりと、完全に好み。

しかも、モノが少ないというだけで

空間がオシャレに見えます(なんともラッキー)。

 

だから、「いる・いらない」を選ぶ作業ができるなら

それは「片付けができる」と言っていいのです。

 

「やればできる」人が圧倒的に多いはずなのに、

プロに頼むほど片付けに困ってしまうのはなぜか?

 

さらに、こう書いても「自分はできない」と思っている方も多いでしょう。

その理由は何だと思いますか?

 

 

それは、

普段のお片付け作業にシステム1(直感) しか使っていないからです。


そして

 

プロに頼んでもそのうちリバウンドしまうのも、

「いる・いらない」が選べたとしても散らかってしまうのも、

精査(システム2)をせず、直感(システム1)で終わらせる」からです。

 

 

その直感のほぼすべてが、ほぼ無意識の

「とりあえず」と「時間がないから後回し」。

 

朝、「夜は時間があるから夜に片付けよう」は

大体やらないですよね(忘れる場合も多々)。

 

「ここが空いてるからとりあえず。時間があるときに片づけよう」も

大体やらないですよね(景色に同化して忘れます)。

 

 

実際には全く時間がないわけではなくて、

行動経済学でうまく作られた社会の仕組みに

自分の時間を知らず知らずのうちに奪われてしまっているのですが。

 

SNSで溶かす時間はなぜかある。

ドラマを見る時間も不思議とある。

ただ、片付けに向かう時間はない。

 

そして「あとでやろう」は

週末か、週末を逃せばいつまでもその時は来ず、

「いつか」になってそのまま忘れ、気付けばずっと片付かない。

 

だから、片付けができないほとんどの人が自分のことを

「意志が弱い」とか「片付けは苦手」と思い込んで

(勘違いのまま)片付けを諦めてしまう。

 

 

思い当たりませんか?

 

ただ単に、

システム1(直感)精査するシステム2を発動すること」を

先送りしてしまっただけなのに

ぴゅーーーっと飛躍して

「片付けができない自分」にしてしまっただけなのです。

 

 

以上の理由で、

「私は片付けが苦手」「私は片付けはできない」が簡単に出来上がる。

こういう仕組みだと思っています。

 

 

だからこそ、そこを脱するためにやることはひとつ。

システム1の自分の選択精査するためのシステム2

発動させればいいのです。

 

※ここに意志は必要です。

「意志あるところに道は開ける」(by空飛ぶ広報室)

 

例えば、「後でやろう」。

「後で」はその時に決める。

ただし、その時に完全に終わらせる必要はなく、二分割三分割でOK。

その時に少し、夜に少し、週末に少し。

全部を後回しにしないと決めるだけで、案外片付きます。


 

例えば溜まりやすい書類。

①封筒から出し、見やすいように大きさを整えファイルに挟んでおく。

②できる時に「いる・いらない」を分けて処分。

③週末にいるものの中身をきちんと確認して必要な日付順に並べ直す。

 

など。

 

 

また、プロに頼むことは、強制的にシステム2を発動させること。

・時間を作る

・強制的に片付けに向き合う

・決める覚悟ができる

・プロに頼れる状況ができるので思考のクセが妨げにならない

 

プロに頼むメリットがこれです。

 

 

自分でシステム2の発動するなら、

ほんのちょっとの意志と覚悟を持ちましょう。

それに自分でやるなら少しずつで大丈夫。

・時間を作る

ひとまずこれさえ出来れば、

引出し1つくらいあっという間に片付きますから。

 

 


とはいえ、私でも

毎日毎日、いつでも片付いているかといえば

もちろんそんなことはありません。

 

誰しも時間も体力も有限です。

出来ない時はある。

心に余裕がなくて散らかっているモノたちが

視界に入らない日々もあります。

 

でも、心に余裕が出てくると

「なんか色々出てる…なぜ今まで何も思わなかったのだ」

と気付くので、その時にパパっと片付けます。

 

で、それで十分なのです。

お片付けは自分のためにすること。

やろうと思ったときにやれる自分であることが大事。

毎日が完璧である必要はない。

 

 

ちょっと長くなってしまいましたが、

お読みいただきありがとうございました。

今回は以上です!

 

 

次回は、

「心に余裕がなくてモノが視界に入らない」現象について書きます。

お楽しみに♡