カーニバルのような台湾デモって意味あるの? | 台南在住日記とか

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 台湾の国会(立法院)権限を強めすぎる野党法案に抗議するためのデモは、一見ほかのデモのような乱暴さを持っていますが、実は人情味あふれたカーニバルのようでした。

 

 今回のデモ参加者の中に、初めてデモを参加する学生や20代の若者が多くて、「太陽花2.0世代」と呼ばれています。

 

 そして、「太陽花初代目」と呼ばれているのは、10年前の国会デモを参加や支持していた若者たちです。

 

 20代だった「太陽花初代目」は、今30代か40代になって、結婚や仕事で多忙で、デモを参加する余裕がなくなりましたが、ある程度の経済力をもっている世代です。

 

 

 ということで、代わりに支援金や支援物資を出して「太陽花2.0世代」を応援している人が多かったです。

 

 現場の情報によると、デモの現場では食べきれないほど多いお菓子やお弁当などがあって、参加者たちは常に「お水は飲みますか?」「お菓子は食べますか?」って声をかけられるそうです。

 

 現場で手作り料理を作る人もいるし、音楽を演奏する人もいるし、音樂祭のようにたくさんの小さなステージがあって、それぞれ自分の理念に合う群れを選んで話し合ったり笑ったりしていました。

 

 さらに、

 「今回のデモは法案に対しての反対を主張するためですよ。国会を占領しませんよ!」

 「国会に入って占領しようと叫ぶ人は、みんな敵ですよ。」

 って、デモが始まる前から、ずっとみんなで呼びかけていたので、実は賑やかで平和な活動でした。

 

 

 ということで、

 「これで、デモというテーマのカーニバルだけでは?意味がないよ。」って疑う人もたくさんいましたが、私は、このカーニバルのようなデモが莫大な意味をもっていると思います。

 

 

 彼たちはネットのアカウントや世論調査の数字ではなく、実際に投票権(あるいはすぐに投票権)をもっている人間ですから。

 

 ネットでは政治狂熱だけど、実際に投票しに行かないアカウントではなく、自発的にデモを参加することで、価値のある票であることを証明しました

 

 

 それだけではなく、最も肝心なのは、デモ参加者の中には20代の若者が多かったことです。

 

 政治傾向が固まっている30代以上の人ではなく、野党も与党も必死に誘っている20代です。

 

 

 センスのある政治家だったら、参加者たちを見ればわかるはずだと思います

 

 この法案は、自分の将来をかけていることだとわかるはずです。

 

 

 目の前の10万人って、2400万の台湾人の中の、ただの10万人ですか?

 

 あるいは、これから自分の政治生命を影響する10万人ですか?

 

 

 2年後の選挙で結果が出るはずですね。

 

 

 そして、ありがたいのは、個人的に一番心配な「一般人への罰金」が昨夜のデモで削除されたそうです。(何もしてない在台日本人でも有罪になってしまう台湾法律が登場?!

 

 追伸:結局、削除ではなく、罰金が最大20万台湾ドル→10万台湾ドルになっただけです。台湾の国会って、偉いね。

 

 これで、満足できますよね?

 

 

 いいえ、違います。

 

 実は今回の状況が怪しすぎて、野党の国会議員たちは、まるで「これからの選挙で負けても平気よ」という感じでこの法案の制定を進めていますから、

 

 「次の選挙がなくなる?」って疑う声も湧いてきました。

 

 

 まずは、野党の国会議員が絶対的な権力を手に入れて、警察、司法、大統領など「台湾人」の勢力を削ったり、理不尽な調査で外資企業や有能者を台湾から追い出したりします。

 

 次は、この前に提唱していた不在者投票や中国配偶の投票権のハードルを下げる法案を通過して、親中勢力を強めます

 

 最後は、親中勢力がだんだん中国勢力になって、台湾も、中国台湾になります。

 

 

 つまり、すでに対象が一般人か公務員かの問題ではなく、中国v.s台湾の問題になったかもしれませんよ。