「ゆっくり物件を見学することができないことを、不動産業者にバレてはいけません。じゃないと、この人は余裕がないから、高い価格で売却しようと思われますよ。」
というのは、台湾人が不動産を買う時に絶対に守るルールですが......
私は、
「隣人とのトラブルで、すぐに逃げたいのです。でも、頭金が足りないですから、値段については何とかなりませんか?」って、二回目の見学で不動産業者の営業マンたちに素直に教えました。
売り手市場なので、だいぶ前からマイハウスを探してきた義妹によると、最近の営業マンはみんな傲慢だそうですから、本当は相手にされないと思いましたが、
私の話を聞いてから、3人の女性営業マンは
「購入できる価格を教えてください。検討してみますから。」って真剣に対応してくれました。
ということで、1600万台湾ドル(およそ7300万円)の物件ですが、1400万台湾ドル(およそ6400万円)で買いたいと伝えました。
その頃の相場では、かなり難しい価格でした。
ちなみに、↓のような物件でした。
隣人とは少し戸境壁で繋がっているので、本物の一戸建てではありませんが、隣人の騒音を予防するには十分ですから、隣人の騒音でトラブルになった私たちにとって、絶好の物件だったし、ごく稀の物件だし、こんな私に対して、営業マンたちが値段の交渉を断っても当たり前でした。
でも、たぶんこちらは先に心を開いたからかなぁ?
営業マンたちも、
「うちの会社は、新しい工事がもうすぐ始まるので、ちょうど現金がほしい時期です。だから、この理由で上司と交渉してみます。」という普通はお客さんにバレないことを教えてくれました。
そして、
「ご存知の通り、この物件は今事務所として使っていますね。事務所の引っ越しの準備は時間が必要ですから、売買契約が成立しても、事務所の引っ越しを待ってくれると、賃金という理由で安くします。」
という約束で1400万台湾ドルの価格について合意を得ました。
本当は、これだけで大満足でしたが、事務所の引っ越しは3月だと言った営業マンたちは、毎日引っ越しの担当者に「速くしてください」って連絡してくれたおかげで、1月下旬に引っ越しを済みました。
つまり、賃金という理由は、ただの理由になりました。
それに、契約を締結した時に、営業マンたちは契約書に「住宅ローン審査が通らないと、買い手は契約を違約金なしに解除する権利を持っています」って書いてくれました。
買い手市場によく登場する「住宅ローン審査が通らないと、買い手は契約を違約金なしに解除する権利を持っています」という項目は、売り手市場になるとすっかり消えたので、売り手からこの項目を追加してくれたのは、本当に感謝しかありませんでした。
その後、営業マンたちとは一緒に食事する関係になったので、少し協力してくれた理由がわかりました。
実は、「不動産価格の高騰は営業マンのせい!」「こんなものでは1500万?ありえない!」って怒る買い手がたくさんいるので、営業マンたちは心が大変疲れました。
だからこそ、珍しいフレンドリーなお客を格別に協力したくなったそうです。
こちらも、隣人の乱暴で心が大変疲れた時期に、「私はやさしくすると、相手もやさしくしてくれる」ということが改めて体験できるのは、本当にありがたいです。
だから、今の私は、「価格の交渉はどうすればいい?」って周りの人に聞かれる度に、「相手の気持ちも大事にしてください。」って返事します。
ちなみに、その不動産会社はその後また同じ物件を二軒売りました。
条件はほぼ同じですが、1700万台湾ドル(およそ7820万円)で売りました。