台湾の「鬼月」のお祭り事情で紹介したように、今は台湾の「鬼月」ですね。
「鬼月」に入るとたくさんのタブーがあるイメージが強いですが、普通に暮らしている人がほとんどですから、「台湾の鬼月はどんなタブーがあるの?」って聞かれたら、すぐに答えられない人も少なくないと思います。
調べてみたら、夜に洗濯物を干してはNG、人のフルネームを呼んではNG、冥界用お札を踏むのがNGなどたくさんありますが.........
夜に洗濯物を干してはNG
冥界の住民が夜に干している服を見ると憑依してしまうのでNG。
でも、台湾人はみんな、昼間に出勤するので、もちろん、夜に洗濯物を干しますね。
週末の昼間に一気に洗濯して干す選択肢もありますが、社会人になると、冥界の住民より怖いのは睡眠不足&日常の請求書なので、農暦の7月だから慣れている日常モードを変える人は少ないと思います。
だからって、冥界の住民が怖くないわけではありませんが、それに合わせる余裕がないなら、考えすぎないほうがいいですね。
人のフルネームを呼んではNG
フルネームが冥界の住民に知られると不運になったり、呪われたりするのでNG。
でも、学校の点呼はフルネーム。病院で医療内容を間違えないように患者を呼ぶときにもフルネーム。
この社会に暮らしていると、フルネームを呼ばれることが避けられないので、もちろん、気にしている人もいないと思いますが、山にいると、鬼月じゃなくても、フルネームを呼ばないという暗黙の了解がありますね。
ほとんどの台湾人は平地に住んでいるし、どんなに田舎でも人口や住宅の密度が高いので、こんな台湾人にとって、「山魅」という山の妖精は未知で特別な存在です。
気をつけないと、捕まえられて行方不明になってしまうイメージが強いので、山に入ると、日頃より大人しくなりますね。
冥界用お札を踏むのがNG
冥界用お札を冥界に提供する方法は焼くことです。
でも、焼いている途中は、いつも「金桶(お札を焼くための金属桶)」から風に乗って飛んでしまう半分焼いた冥界用お札があります。
それは「風に乗って」ではなく、「冥界の住民が取っていること」ですから、足を踏んで止めてから拾うのはNG。
事実はどうかわかりませんが、鬼月限定のタブーではありませんから、農暦7月じゃなくても、大人しくお手で拾います。
ちなみに、台湾は冥界の家族に提供するのは、お札だけではなく、紙で作った豪邸、名車、服、スマホなどもありますね。
それは、台湾の葬式の最後には、空き地へ行って冥界のお札と一緒に大きい焚き火台で焼いて、亡くなった方に差し上げます。
その時には、財物(紙製)がほかの冥界の住民に取られないように、遺族たちは糸を持って焚き火台を囲まれる境を作ります。
ちょっと後夜祭のファイヤーストームと似ていますが、とても重い行事ですよ。