今日は8月8日でパパの日ですが、台湾の旧暦には、7月1日ですよ。
台湾では「旧暦の7月=鬼月=幽霊の月=冥界の住民はこの世に戻ってくる」ですから、7月1日はいわゆる「鬼門開(冥界の門が開けたこと)」です。
だから、今日の台湾は、冥界の住民に挨拶するために、自宅や店の前に拜拜(線香でお祭ること)する人が多いです。
直接に冥界の住民を「鬼(幽霊)」と呼ぶのは失礼すぎるので、普通は「好兄弟」や「阿飄」と呼びます。
好兄弟
元々は男性の間に「相棒」、「仲間」、「親友」という意味でした
例:私たちは「好兄弟」ですね。(女性なら「好姊妹」)
たぶん「四海之内皆兄弟(世界のすべての人は、皆いい仲間。)」という価値観に影響されて、知らない冥界の住民をどう呼ぶかいいかわからないので、とにかくみんな「好兄弟」にしようという流れで「好兄弟」になったと思います。
阿飄
私の世代から始まった呼び方。
阿✕:ニックネームの付け方の一つ。例えば、「王大明」という名前なら、「阿王」、「阿明」と呼びますね。
飄:浮いていること。幽霊は足がなくて、浮いているイメージが強いので、この言葉を使いました。
ちなみに、「好兄弟」や「阿飄」は、知らない冥界の住民への呼び方なので、「先祖(台湾では祖先)」や「神様」を「好兄弟」や「阿飄」と呼ぶと周りの人に怒られますから、気をつけてくださいね。
だから、今日の拜拜はいわゆる「拜好兄弟」です。
「阿飄」を使っている世代は、ほとんど「拜拜」をあまりしない世代なので、「拜阿飄」という言い方がないと思いますが、「拜門口(門前をお祭ること)」ともいいます。
「好兄弟」や「阿飄」は知らない冥界の住民なので、この時の「拜拜」は門前から通った冥界の住民と挨拶しながら、子孫を持ってないので供養されていない冥界の住民に食べ物と物資を提供することですから、自宅の門前から道の方向に向かって実行するので、「好兄弟」という言葉が出る前には、「拜門口」というのが普通でしたね。
でも、「拜門口」って、やっぱり直接に冥界の住民を「鬼(幽霊)」と呼ぶのは失礼すぎて、「鬼(幽霊)」の代わりに「場所」で呼ぶので、拜門口=拜好兄弟≠門前から道の方向に向かってお祭ること。
門前から道の方向に向かってお祭る対象は、冥界の住民をお祭る時だけではなく、「天公」という神様もいますから、このシーンを見てすぐに「拜門口」や「拜好兄弟」と呼ぶなら.........怒られるかもしれませんね。
普通は使っている冥界用お札を見れば、「拜門口」かどうかわかりますが、たまには神様や先祖をお祭る時には、ついでに地縛霊をお祭る人もいますから、複雑ですね。
そして、旧暦の7月15日は中元節(日本のお盆と同じ)には「普渡」というお祭りがあるので、その日にたくさんの廟(道教の宗教施設)&自宅の門前にお祭ります。
ちなみに、中元節の普渡は超大量の供養品を準備するので、スーパーや日用品系のネットショップはこの時期の購買力を狙って、たくさんのバーゲンを出してくれますから、私はいつもこの時期に食料品、日用品を一気に大量購入します。
次は、7月30日の「鬼門関(冥界の門が閉まる)」ですね。
この日のお祭りは、7月1日とはほぼ同じです。
以上は、台湾の鬼月のお祭り事情でした。