「回娘家(フェ・ニャン・ジャ)」というのは、既婚女性が実家に戻るということですが、旧暦の新年などの「回娘家」はほとんど婿も一緒に帰省しますね。
もっとも大事なのは娘なのに、なぜかこの日のおせち料理は婿におもてなすための料理になりました。
例えば、台湾では「初二(ツー・アー)」という日にほとんどの夫婦は「回娘家」ですから、この日結婚した娘を持っている人に会う時には「婿におもてなすためにどんな料理を用意しましたか?」って挨拶しますね。
義家族はお互いの好みを覚える文化がないので、特定の料理がありませんが、私の実家は定番があります。
それは、私の大好物です。
まずは豚肉の揚げ物。
使った揚げ粉は伝統的なスーパーしか買えないので、外のレストランで食べたことがありません。
揚げ粉自身はちょうどいいしょっぱさを持っていますから、事前の漬けは必要がありません。
シンプルだけど、いくつ食べても飽きません。
次は白菜滷(バイ・ツァイ・ルー)
白菜滷は白菜で作った料理で、ルーロー飯の店などの定番料理の一つですが、お母さんの白菜滷は私のために特化した味なので、同じく外では食べれませんね。
さらに、お母さんの「白菜滷」では「爆皮(ボン・プェー、台湾語の発音。豚の皮で揚げたもの)」という彰化の名物を使ったので、台南で作ろうとしても同じ味にはなれませんね。
次はソーセージ。
伯父さん(お母さんの兄)は毎年高粱(ガォー・リャン)という酒で漬けたソーセージをお土産として贈ってくれるので、実家のおせち料理の定番になりました。
次は、練り物とイカでつくった花枝丸(ファー・ズー・ワン)です。
お母さんはネットで澎湖の冷凍花枝丸を買って自分で揚げました。
加工食品ですが、練り物が少なくてしっとりなイカがいっぱいの高級品でした。
次は、大晦日にも登場したルーローです。
日本では「ルーロー」と言えば、豚ひき肉で作ったものですよね?
それはたぶん北部の言い方ですね。
中南部では、ルーローといえばほとんど角きり豚肉(コン・ローとも呼ぶ)ですよ。
豚ひき肉でつくったものは肉燥(ロー・ザォ)です。
最後は酸菜白肉鍋(スァン・ツァイ・バイ・ロー・グォー)です。
灰色で丸いものは貢丸(ゴン・ワン)という豚肉でつくった練り物です。
肉団子のようですが、ひき肉でつくったほくほくの食感ではなく、びっしりして硬めですよ。
この前は自分の食事バランスは肉や水産:野菜:ご飯:スープ=2:7:0.5:0.5だと言いましたが、よく実家に戻ってお母さんの手料理を食べるわけありませんから、新年にバランスを気にする場合ではありませんね。
それでも、お母さんはその食事バランスを覚えてくれて、白菜滷と酸菜白肉鍋で大量の野菜を備えてくれました。
やっぱりね、お母さんの手料理が大好きです。