TAIWAN BOOKS 台灣好書は18冊の台湾書籍を紹介しました。
自転車泥棒 吳明益
冬将軍が来た夏 甘耀明
暗礁 巴代
次の夜明けに 徐嘉澤
いつもひとりだった、京都での日々 宋欣穎
Aな夢 鯨向海
書店本事 台湾書店主43のストーリー 郭怡青
台湾レトロ建築案内 老屋顔
台湾レトロ氷菓店 ハリー・チェン
複眼人 吳明益
陳澄波密碼 柯宗明
台湾の味わい 焦桐
台北プライベートアイ 紀蔚然
箸 怪談競演ものがたり 三津田信三(日本)、薛西斯(台湾)、夜透紫(香港)、瀟湘神(台湾)、陳浩基(香港)
リングサイド 林育德
妖怪台湾地図 何敬堯
台湾博覧会1935:スタンプコレクション 陳柔縉
無家者 李玟萱
18冊の中に吳明益さんの作品が2冊ほどあるので、まずは吳明益さんを紹介しましょう。
仕事柄で、本を読む時には最初確認するのは、ストーリーじゃなくて、文字の扱い方です。
台湾の文学分野では、難しい言葉や造語みたいな言葉を使う著者がたくさんいます。
そういう著者たちは、アーティストです。文字に新しい命や意味を与えます。
個性的で、その人らしい魅力を感じられます。
でも、翻訳者としてはなるべく正統派の中国語で、著者の個性や意志を表現したいです。
私は知識の伝わりを最優先する実用書を翻訳しているし、影響されやすいし、なるべく正統派の中国語を読みたいです。
そして、吳明益さんの作品は当たりました。
吳明益さんは華文文学学科の教授で、誰でもわかりやすい述べ方や言葉を使っていますが、内面に隠した文化リテラシーを感じられます。
つまり、中国語の学習者にも、吳明益さんの作品をおすすめ。
吳明益さんの文章は、美しくてわかりやすいタイプです。
それも、吳明益さんは台湾で人気の理由のひとつです。
彼の作品は、蔦屋書店みたいです。
店内は明るくて美しい。
普段はあまり読書しない人でも、気があればいつでも気軽に入れるタイプです。
話題は変わりますが、実は中国語バージョンと日本語バージョンの表紙には興味深いところがあります。
まずは、中国語バージョン。
日本語バージョン。
個人的な見解ですが、
吳明益さんは、台湾のトップ著者の一人で、トップ著者であれば、表紙もトップデザイン。(ちなみに、その表紙も吳明益さんが描いたもの)
台湾では、日本からの影響を受けて、シンプルで意味深いデザインを求めて、それをトップと視されています。
でも、それは台湾らしくないですよね?
だから、日本語バージョンは懐かしいデザインを使いましたね。
もし、中国語バージョンは最初から日本語バージョンみたいな表紙を使うと、吳明益さんを知らない読者なら絶対に読まないと思います。
それは、まるで小学時代の教科書だから、吳明益さんのファンたちも怒るかもしれません。
でも、日本人にとって、それこそ台湾でしょう?
もし、中国語バージョンの表紙をそのまま使うと、台湾が好きでも、特に手に入れる気がしませんよね?
だから、その後ろにある計算には興味深いです。