(編集者たちに参考してもらいたいですから、ネタバレもあって、ご注意くださいね。)
今日は紹介したいのは、テーマがすごく重い絵本です。
著者の幸佳慧(シン・ジャー・フェー)さんは台南人で、イギリスのサーリー大学(University of Surrey)の子供文学の修士号を取得して、新聞記者、出版社の編集者を経て、たくさんの絵本の作品を出版して、台湾の金鼎賞(書籍関係の国家賞)を三回受賞しました。
三回目は、特別貢献賞です。
でも、授賞式は2019年の9月12日で、幸佳慧さんは参加できない可能性がすごく高かったです。
なぜなら、幸佳慧さんは癌で余命宣告されたんですから。
この情報を手に入れた行政院長蘇貞昌さんは、行政院で幸佳慧さんのために特別な授賞式を行いました。
そして、2019年10月16日、幸佳慧さんは天使になりました。
でも、彼女を回って膨大な計画がまだ続いています。
それは「朵朵計画」です。
昨日のDV相談窓口の記事で言った勵馨基金會は幸佳慧さんの仲間たちと一緒に、今日は紹介したい「蝴蝶朵朵」という絵本を使って、小学校で絵本の読み聞かせのスタイルで、子供に自分を守ることを教えて、そして、何があったらボランティアに教えて、子供の許可をもらえると、ボランティアはすぐに助ける計画です。
性暴力から脱出するために、いろいろな調査が必要で、逆に人生に負担がかかる場合もあるので、ボランティアはしっかりこれからの状況を説明して、子供の許可を求めます。
もちろん、子供の許可をもらえない場合も、精一杯助けてあげます。ただし、法律の介入がないと困難度はあがりますね。
その計画の中に、もっとも有名なボランティアは台湾の女優である隋棠さんですね。
では、「蝴蝶朵朵」を紹介しましょう。
蝴蝶=蝶々
朵朵=主人公の名前で、以下ではドド。
台湾の絵本は、中国語の字(漢字みたいもの)と注音符号(仮名みたいもの)を同時に載せますが、「蝴蝶朵朵」では最初と最後のページでは中国語だけ。
それは、大人を対象にしてると思います。
ドドは幸せな子です。
彼女はブランコに乗ったり、蝶々の舞い姿をみたりすることが好きです。
でも、ある日......
空が暗くなって、黒い雲がきて、稲光が走って、嵐も迫ってきました。
彼女は翼が濡れて、しばらく飛べられなくなってしまいました......
次のページから、子供と一緒に読むページが始まりましたから、注音符号も使いましたね。
絵本の前半では色使いが明るいです。
ドドはシングルマザーであるママとの暮らしはとても幸せそうです。
ある日、ドドはママと一緒にやさしいおじさんの家に引っ越しました。
でも、ある日から、ドドは毎晩繰り返し悪夢になりました。
ドドはよく夜中に叫んで目覚めています。
蝶々を盗んだモンスターは、夢に侵入してドドを追いかけました。
彼女の顔が濡れました。
でも、ママに教える勇気がありません。
ここからの色使いが暗くなりましたね。
ドドは行為が異常になりました。
人との接触を怖がってきました。
その異常を気付いたママは、ぬいぐるみを使ってドドの本音を聞きました。
そこで、おじさんからの性暴力を受けたことをわかりました。
最後、警察はおじさんを捕まえました。
娘を守れなかったママは自分を責めて、ぬいぐるみを使って娘に謝って、そして娘と一緒に「失った蝶々」を取り戻して、また幸せな人生に戻りました。
だれもみんな、翼を持っています。
だれもみんな、いろいろな嵐に遭います。
翼が濡れたり、傷ついたりするかもしれませんが。
その翼を大事にすれば、
必ず綺麗になって、また広げて空へ飛べられます。
最後のこのやさしい言葉は、子供だけでなく、心でいろいろな傷や寂しさを持っている大人たちにも言っていますよね。
ドドと同じような傷じゃなくても、誰もみんな傷ついた時があります。
でも、必ず立ち直れる日が来ます。
テーマが重いですが、とても暖かい絵本だと思います。
この絵本は付録が付いています。
これは教育者を対象として作ったマニュアルです。
目次
1 台湾の子供の性暴力被害の現状、データー、問題
2 予防:どうやって子供に教えますか?
3 向い:被害者の接し方
4 被害者と付き添いの経験
5 「蝴蝶朵朵」の使い方
では、誰でも自分の翼を自由に広げて飛べられるように祈ります。
【書籍情報】
著者:幸佳慧
単行本: 48ページ
出版社: 字畝文化(読書共和国)
言語: 中国語
ISBN-13: 978-957-8423-76-3
発売日: 2019/4/24
重版回数:第25刷(2020/7)
梱包サイズ: 19.1 x 26.6 x 0.8 cm
値段:350元(およそ1265円)