ロマンティックエロティックグロリアス -165ページ目

さっぱりした透が帰ってきて、『あ~、つっかれた!』と言って座った。


『も~、最近暑くなってきたから大変だよ』

『ちゃんと水分取れよ』

『取ってるよ・・・んで、何?』

『え?』

『用あったんだろ』


透のアクロアイトの瞳は、俺にまっすぐだ。

何の飾りもなく純粋な無色透明の瞳。


『うん・・・なんていうか・・・お前の道場にアイオライトの女の子がいないか?』


透はからかったりしない。でも、やっぱり気恥ずかしかった。


『アイオライト?』

『うん。お前の妹くらいの』

『ああ、菫だな。妹の友達だ』


菫・・・菫っていうんだ。

とても目立つ、巻いて広がる黒銀の髪・・・


『家知ってる?』


ちょっと勇気がいったけど聞くことができた。でも透はそれを聞いて目を見開いた。


『ちょっと待て・・・家聞いてどうすんだ・・・』


そんなに驚かれると言い辛いけど・・・


『守護してもらおうと思って』

『守護・・・』


透は繰り返して呆然としてる。そんなに驚かなくても・・・

やがてふうっと息を吐くと、鼻をかいた。


『そうか。・・・確かにそっちの方が侍女よりいいかもしれんな・・・でも確か6歳だぞ?』

『俺だって9歳だ』

『そうじゃなくて・・・』


言いたいことはわかる。竟も言ってたし・・・


『親が反対、するよな・・・』

『間違いないよ。16まで待たないといけない』


守護が決めた主には誰も異議を唱えることはできない・・・でも時期については、成人するまでは親の意見が考慮されるものだ。


『でも俺、どうしても守護が欲しい。10年、待ってもいいから・・・』


生まれてから今までよりも長い時間・・・そんな時間を想像すらできない。でも、この気持ちは、あの女の子が守護だと分かった瞬間から、俺の頭から離れない――離れないんだ。


透はちょっと切ないような瞳で俺を見た。

こいつにされるなら、同情でもいい。


『家は道場から石垣の道を通って、公園を左手にまがったところだ』


教えてくれたら、涙が出そうになった。

ほんとにいい奴なんだ、透って。

こんな男になりたかったな。


『ありがとう』