家を聞いたところで、いきなり訪ねて行く訳にもいかない。
でも、道場に通っていることは知ったし、行き帰りに石垣の道で待ってればいつでも会えることが分かって少し安心できた。
でももう夕方になっていて、今日はそこで待っていてももう会えない。
一刻も早く伝えたい。
時間がないから・・・
焦る気持ちをどうしていいか分からないまま、公園の木の上で菫の家を見ているうちに夜になってしまった。
家には明かりが灯っていて、父親と母親、それに菫がいるのがわかる。晩ご飯を食べてる。
それを視ていたら、自分も腹が減ってどうにもならなくなっていた。
でも、帰りたくないし・・・
その時木の下から声がした。
『見つけた・・・』
視慣れた気配に下を見ると、翡翠の瞳が困ったように見ていた。
『姉ちゃん・・・』
『帰ってらっしゃい』
背に腹は代えられないって、このことか・・・
そう思いながら、大人しくつかまった。
また抜け出そう・・・