暗くなる前に菫を帰して、自分も家に帰った。
姉ちゃん達はまだ帰っていなくてラッキーだった。
すぐに出るけど、大事なアイオライトを持ったままウロウロする訳にはいかない・・・
自分の部屋で、箱を開けてみる。
可愛らしいハートシェイプのアイオライトが現れた。
・・・お父様にもらったと言ってたな・・・
指でつまんで光にかざしてみる。
アイオライトって、不思議だな。
とても深い群青の色をしていても、横からみると嘘のように色が消える。
同じ無色透明でも、透とは違う。
横を向いたままの菫を見続けるのは、なんか悲しい気がした。
ふいに、呼び鈴が鳴って、視ると透が来ている。
珍しいな、こんな時間に・・・
俺はアイオライトをしまって、玄関に出た。
『どうした?』
透はちょっとほっとしたような顔をした。
『紅・・・菫と仲直り、できたんだな。良かった』
『なんで知ってんだ?』
『今日道場でちょっとしゃべった。それよりさ、』
透はそれ以上この話題をさけた。
俺もそんなに話したくない・・・
なんていうか、菫のことは透に・・・誰にも、話したりしにくくなってきたから。
『明後日のことだけど』
『・・・あ・・・』
すっかり忘れてた・・・!
『弁当持って、朝8時集合な。・・・って言っても、できないと思って今のうち言っておこうと思って来たんだけど。家にいるなら大丈夫だな?』
うう、頼れる奴・・・!
確かに外にいたらできないや。起きれないし、弁当もない。
それ言うために、あちこち、探してくれたんだ。
『うん・・・。明日までは家で寝るよ。いろいろありがとな』
『水くせえこと言うなよ。じゃあな』
透はそう言って笑った。手を上げる。
俺も手を上げて、『オヤスミ』と言った。
明後日はお別れ会をしてくれるんだ。
友達全部呼んで、遊園地行って・・・
そういうのも、透が言い出してくれたこと、ちゃんと知ってるよ。
俺、ほんとにいい友達を持った。
それだけは、俺、運命に感謝してるんだ――