・・・菫・・・
でも、失ってしまったよ・・・
あの黒銀の巻き毛の小さな女の子は、俺の守護にはならないんだ。
ふふって笑うと、ちょっと可愛い。
いつも走ってる。
優しくて強くて泣き虫の・・・
『紅!』
菫の声が聞こえる。
俺を呼ぶ声――
『紅!』
もう一度聞こえた・・・声の方を見ると、窓に菫が乗っている・・・どうして・・・
菫は気がついて靴を脱ぐと外に投げ捨て、部屋に飛び込んで俺に抱きついた!
『紅!あなたを守るわ!ずっとずっと!』
緑子姉ちゃんもユカリ姉ちゃんも驚いて固まった。
俺は突っ立ったままで、ここに菫がいる意味を考える――
『菫・・・?』
どうして・・・?
『あなたが好き!連れてって!どこまでも!』
好き・・・
目の前に現れた群青の瞳は俺の心を射るように輝く・・・!
物分りの悪い俺の頬を両手で引き寄せて、菫はキスをしてくれた。