緑子姉ちゃんが大きな荷物を抱えて戻ってきた。
『即位式の衣装が届いたよ』
そう言って、それぞれに振り分けて並べた。
『3日後の昼ごろ・・・これを着て、ここに開いた扉から架月城へ行くことになる・・・着てみる?』
どうでもいい・・・
緑子姉ちゃんは箱から衣装を出していく。
ラックを運んできて、ひとつずつハンガーに掛けていった。
『うわぁ・・・綺麗ね・・・ねえ、見て!ちゃんと紅ちゃんが着るようになってるわよ』
ユカリ姉ちゃんがそう言って衣装を見せた。
真っ白で飾り気のない、でも豪華さは損なわれていない・・・
うん。確かに、俺のだ・・・
ユカリ姉ちゃんは上着も出してきて、『見て!紅ちゃん!』と言った。
もう、わかったよ・・・
『違う!見てよ!ほらっ!』
ユカリ姉ちゃんにしては「!」の多い台詞に上着を見ると、胸元にひとつ輝いている蒼い蒼い輝き・・・!
『・・・アイオライト・・・!』
どうして・・・!
菫を守護にと思っていたことなんか、誰も知らないはずなのに・・・
知ってるのは、透だけのはずなのに・・・
『紅ちゃん、着てみて』
姉ちゃんが着せ掛ける。逆らわずにいると、胸元に冴えた輝きが現れる。