美しい音楽が | ロマンティックエロティックグロリアス
美しい音楽がそろりと流れて開会式が始まった。しずしずと列席の方々、つまりお父様みたいな長役の人たちが壇上脇に並ぶ。第一位の守護様である翠様、三位の焔様の姿も見えた。
ポロン、ポロン、とハープの音色が音階を下っていく。私はなんだか切なくなって涙が出た。おめでたい、お祝いの音楽なのに不思議ね。でもまわりにいるたくさんの大人たちの中からも、すすりあげるような音が聞こえていたから、私だけがそう思ってるんじゃないよね。
少し暗い照明の中に、ピンク、グリーン、パープルの華が咲いて、紅たち三宮が現れた。静かなどよめき。いつもとは違う、見慣れない深い沼のような・・・でなければ深いうっそうとした森のような濃い緑色の衣装を纏った3人は少し奥まった場所に、左右・中央に分かれて佇んだ。
そして中央に、エメラルドグリーンの光の粉をまき散らして、姫神様、碧様が現れる。姫神様は黒、碧様は白のドレス、裾を長く引かせていらっしゃる。姫神様は黒く細かい細工の幅の広いチョーカーをして、碧様はその白く細い首には何もない。ふたりの衣装はほとんど同じデザインで、対照的。

それにしても舞台も大広間も、正午なのになんて薄暗い。こんな雰囲気、まるでお祝いらしくないわ。
そっとお母様の顔を見上げると、お母様も少し涙ぐんでいたように思う。私の視線に気づいて少し笑った。お母様ならうまく説明してくれるような気がして、なんとなくどうしてなのか聞きたくなったけれど、言葉を発していいような場ではなかった。