お母様の抱っこで一度お部屋に戻った後、三人で開会式のある大広間へ向かった。お父様はお式に出るから、その間はお母様とふたりだ。
大広間は、私の記憶より二回りも違うくらいの大きさに変わっていた。紅から聞かされていたけれど、それでももちろん収容できないので、この空間は多重構造になっている。むしろ多重構造を支える為に必要なだけの空間を拡張した、という方が正しい、とかなんとか・・・
多重空間ってどんなものなのか、ちょっとだけ守護の力で探ってみようと思って、いつもは封印している力を開放してみた――
がん!!
頭を殴られたようなショックが襲ってすぐやめた。くらくらする・・・
たった一瞬だったけど、それは猛烈な思考の渦だった。嵐とかそんな風でなく、もう塊のような重いような、ひとつひとつなんかまったく読み取れない、おそろしいほどの圧力だった。
衝撃で頭がぐらんぐらんしたところに気づいて、お母様が『だいじょうぶ?』と、どうしたの?みたいに聞いた。
『うん、なんでもない・・・』
そう答えながら、師範に大勢の人がいる場所でやってはいけないと言われたことを思い出した。
怒られるぅ・・・