脱衣場で服を脱いでかごに放り込んだ。
半径30メートルの監視を怠らない。
脱衣場には屋根があるのに、ここから見える広大な風呂の上には夕焼けが広がってる。壁もない。
ドアなんかはなくて、空気を遮断する圧力が存在する。なるほどね。
風呂はいくつもあって、大小美しいバランスで配置されている。それぞれの近くに洗い場もあった。
夕焼け空とこの場所の間には、なんにもないように見えてそうではない。
何というか、空間的にゆがめられた層が存在する。つまり外側からは見えない。そうだよな。うん、必要だ。
一番奥の、海ぎりぎりにある風呂の洗い場で、座る。
頭を先に洗って、体を洗う。
なんにも考えずにさっさと洗い、風呂に入った。
・・・気持ちいい・・・
風呂自体は嫌いじゃない。いやむしろ好きだ。
こんなにでかくなくていいけど、浸かってのんびりするのっていいよなぁ。
天仙京の家にも露天風呂があった。父の好みであったらしく、岩風呂。
温かみのある大理石で造られたここのとは趣が違うけど、夜なんか虫の声聞きながら入るの好きだった。