低く深い軒の、 | ロマンティックエロティックグロリアス

低く深い軒の、遠い向こう側まで見通せる木造の広大な館を横目に歩く。周囲には等間隔でかがり火が揺れ、それを少し離れてオレンジ色の花をたくさんつけた美しい樹が囲む。それをさらに取り囲む大きな葉、幹の太い樹々・・・体の大きそうな鳥の声がギャアギャアと聞こえた。


茂った森の中に立つ、大きな石を積み上げた柱の間を通り抜けると、巨大な木々が見える。特に正面の、下に向けて開くラッパのようなうす黄色に色づいた花が鈴なりに咲く、後で聞いたらダチュラという樹は見事で、辺りを圧していた。


栗宮様はその樹の前で立ち止まりこちらを待つ。俺と菫が来ると言った。


『これはわたくしの命樹・・・この根元には契約の証としてわたくしの守り石が埋まっている。今よりこの隣に、そなたの守り石を埋めなければならぬ。よいな?』


ひとつも頭の中に入ってこなかった。

栗宮様は俺を真っ直ぐ見ていて、はっきりしたお声で話しかけているのに、口だけが動いているかのように、音だけが聞こえているように、意味が一つも受け取れない・・・