大観衆がひとしきり満足して大広間から出てゆくと、 | ロマンティックエロティックグロリアス

大観衆がひとしきり満足して大広間から出てゆくと、静かになったステージの上でご臨席の方々と三宮様、即位したばかりの紅たち、師範と私・・・いくぶんかほっとした雰囲気で、姫神様の前に集まる。師範と私は一番後ろで、それ以外の宮様は一列に横並び、跪いて礼をとる。


当代の姫神様が口を開いた。


『大儀であった。良いお式じゃった。栗宮も間におうて、ほんに良かったの』


美しいエメラルドの瞳を、でも私は畏まっていたので見られずに、ただその包容力あふれるお声を聞いていた。


『碧もなにか言うが良い』


促されて、まだ13歳の碧様が少し戸惑われてから、でもお声を掛けられた。


『みな、おめでとう・・・』


鈴を振るような声に、思わず顔を上げてしまった。白い面に金の繊細な縁取り、大きな最上級のエメラルドの輝き!


すぐに師範から注意を受けて、再び畏まる・・・でも、まるで宝石細工のような美しさは頭から離れなかった。

当代様のお姿は、菫でもさすがに知っている。豊穣な黒い髪と緑の瞳のコントラストは鮮やかで見るものを魅了する。

だが碧様の美しさは、宝石職人が丹精込めて作り上げ磨き上げたような、些細な傷さえ命取りとなるかのような、そんな危うい美しさ。

その時はまだ子どもだったから、ただこわれそうなお方だと感じていた・・・