扉は昼に開くけれど、朝から紅の家に両親と3人で行った。
玄関にはもう人だかりができていて、最後の別れをする人たちの声があふれていた。
かき分けて中に入ると紅の笑顔がこちらを見ていた。
とたんに胸がきゅぅっとなって体が勝手に走り出し、胸に飛び込んだ。
『あはっ、菫・・・!会いたかったよ』
紅は受け止めてとても嬉しそうにそう言った。
『うん・・・!』
胸がいっぱいになった。ふくらんではちきれそうなくらいだった。
嬉しくて幸せで苦しいくらいほどの体を、紅はしっかりと抱きしめてくれた。
お母様はそんな私を見て泣きそうになり、お父様にしがみついた。
緑子様がユカリ姉さまと来て、お父様とお母様に丁寧な挨拶をした。
紅もそれを見て、挨拶をした。
『菫のお父さん、お母さん・・・、俺、頼りないけど・・・がんばるから。菫の幸せだけ、考えるから・・・!』
お父様もお母様も無言でうなずいていた。紅の気持ちは、ちゃんと二人に届いていた。
そしてこの時の言葉はこの先ずっとずっと紅を縛ることになる――