でも私が何か言う前に緑子様が答える。
『もちろんですとも。お嬢さんは可愛らしい。きっと良い夫が見つかることでしょう』
そう聞くと、お父様は固かった表情を少しだけ和らげて、息を吐いた。私を見て念を押す。
『必ず夫を見つけろ、菫。今から探すと約束しろ』
お父様の強引なところをずっと好きだったのに、私はもう素直になれなかった。
『そんなの早すぎるわ』
『では結ぶのを7年後にする』
私はつまった。守護が結ぶのは主が16歳になる年と決まっている・・・
守護すること自体には逆らえないが、時期に関しては親の意見も通るのだと緑子様の顔を見て知った。
『華瑶苑に入ってしまえば男を見ることすらままならないだろう。できれば入る前に見つけさせたい』
『大地・・・』
お母様がお父様の肩を揺らす。
『もちろん無理だろう。だがそれくらいの気持ちで探して欲しい。いいな?』
紅を7年も独りにはできない・・・私はうんというしかなかった。
その後緑子様は今後のスケジュールについて説明し、質問を受けていた。
それで私は、なんと3日後には架月城で紅と結んで、次の日には華瑶苑に入ることを知った。
お父様は日取りについては知っていたようで何も言わなかったが、連絡はできるのか、用意するものがあるのか、師範には付けるのか聞いていた。
『師についてはわたくしの雲に任せようと思う。天界第二位の守護者です。城と守護の里と華瑶苑を行き来することになるだろうが、様子も窺えていいと思います』
『うん、それは願ってもない。守護の里なら会いにも行ける』
『・・・宮は継承後体調を崩すと聞く。そして各地を回らなければならない。わたくしたちも共に回るつもりだが、本格的な修行はその後になります。連絡はわたくしや紅子の守り石をお渡しすることで宜しいでしょうか』
お父様もお母様も了承して、『お願いいたします』と頭を下げた。