『良かった!ひまわり、ありがとう。私大好きなの』
『お?やっぱり!なんかお前にはひまわりって思ったんだ。菫なのにヘンだと思ったけど』
笑うと結構かわいいじゃん。
いつも鋭い目つきしてるから、意外だな。
俺もなんだか嬉しくなって笑った。
すると、菫がぱちんと手を打って思い出したように言った。
『インペリアルトパーズ!』
どきっとした。
『あれ、大事なものよね?今持ってないけど、頂けないから今度返すわね』
『・・・どうして・・・』
腹をどすんと殴られたような気がした。
菫は笑顔のまま言った。
『ひまわりはほんとうに嬉しかったんだけど、石は頂く理由がないし、多分お母様に言っても返しなさいって言われると思うの』
理由はある・・・!
あれは・・・あれは、俺の・・・
『今日は家にいる?』
なんの悪気もないその顔・・・
どうして返すなんて言うんだ・・・!
『あの石はお前にやったんだ・・・』
『紅?どうしたの・・・?』
菫が心配そうに顔を見つめる。
読まれる――!
『要らないなら捨てろよ!』
吐き捨てて逃げた。
町を見渡せる丘の木の上まで走って、隠れるように幹にしがみついてしゃがんだ。
伝わらなかった!
伝わらなかった!
伝わらなかった!
・・・言えないんだ!
どうしても、言えない!
口にしてしまったら認めなくてはならない!
逃げ続けることも、ほんとうはできないと分かってるけど・・・!