なんだよ・・・
この俺に向かって「大嫌い」だと?
しかも2度も・・・!
絶対好きなのに!
俺のことが絶対好きなはずなのに!これは運命なのに!
ぎりぎりの手前で俺の前に現れた、これが偶然であるはずがない!
でも透はこう断言した。
『それはお前が悪いよ』
『何でだよ。なんにも悪いことしてないぜ』
丘を追い出したことは透には言ってない。
透はぷっと笑って、
『だっていきなり言うことじゃないだろ?』
『いきなり言ってもゆっくり言ってもおなじだよ』
『おなじじゃないよ。だって菫、お前のこと何にも知らないと思うよ。お前だってそうだろ?』
・・・確かに、知らないけど・・・
『それに菫の言うことにも一理ある。お前は菫のこと、好きでもなんでもない。そんな奴のこと、好きになんてなれないだろう?』
好きでもなんでも・・・?
『女を好きになったことなんて、ないもん・・・』
『じゃあ諦めろよ。いくらなんでもあと1週間やそこらでなんて、無理なんだし』
『嫌だ!』
条件反射のように、拒絶反応のようにすぐに口を突いて出た。
透が驚いて息を呑んだ。
『嫌だ!俺は絶対菫を守護にしてずっと一緒にいてもらう!絶対!』
ほとんど叫んだ。どうしようもない気持ちがあふれて、壊れそうになった。
『・・・落ち着けよ』
透が辛そうな声で言ったので、頭はぐるぐるしていたけど俺は口を結んだ。
『お前の気持ちが決まってるなら、一度ちゃんと話してみたら?俺も菫のことよく知らないけど、いくら小さくてもちゃんと話せば分かってくれるかも知れないだろ』
『話すって・・・』
何を話せばいいか・・・ううん、話したくないことばかりで・・・
『言いたくないことはともかくさ・・・。とりあえず、いきなり言ってごめんとか、謝っとけよ』
『謝るようなこと、してない』
透はふう、とため息をついた。
『お前妹の友達にキスしたりしてただろ。そういうの、バレてんだよ。きっと』
『・・・』
そういうの、女の子は好きなんだと思ったから・・・
そのまま俺に惚れてくれたら即連れて行けるとも、思ったし。
『いい加減な奴だと思われてる。だからそうじゃないと言わないと。プレゼントでも持ってさ』
『プレ・・・』
そんなの、何持ってったらいいんだ!
『花でも飾りでも何でもいいじゃん。気持ちだよ、気持ち』
透は俺より2コ年上だ。相談するにも頼りになる・・・