ニューヨークの形成外科医 Gerald Imber(ジェラルド・インバー)医師が
「過度なランニングは老化を加速させる」
と発表し話題となっています。
年齢:80代
専門:アンチエイジング、形成外科、美容外科
著書:The Youth Corridor など、若さを保つための生活習慣や美容に関する本を執筆
【説明】
最近、TikTok などで「走りすぎると関節や顔にダメージが出て老けやすい」と発言し、話題に。彼は「走ること自体は健康に良いが、過剰なランニングは関節の摩耗や顔の脂肪減少を招く」と警鐘を鳴らしました。代わりに「水泳やサイクリングなどの低衝撃運動を組み合わせるべき」と提案しています。
では、どの程度が過度なランニングなのか?
週70マイル以上で筋疲労・けが・倦怠感が続く場合は明らかにオーバーワーク。
ということだそうです。週110kmは日当たり15.7kmなため、その程度走っても倦怠感がない人はトップ中のトップのランナーでないと起こりえません。
従って、私たちのように日当たり数kmしか走らないランナーには当てはまらないので、走っていても老化にはつながりえません。
あまり言葉だけにとらわれず、
定量分析しましょうね。
【サブ3を目指す人へ】
サブ3を目指すような高い目標を持つことは、必ずしも「老化を促進する」わけではありません。医学文献や専門家のガイドラインを読み解くと、過度なトレーニングや休養不足が続くと身体への負担が大きくなり老化のリスクが高まる一方で、適切なボリューム・強度と十分な回復を組み合わせれば健康を維持しながらパフォーマンスを伸ばすことが可能だと示されています。
【参考】
Marathon Handbook「How Much Running is Too Much? 14 Signs You're Overdoing It」(2025年3月20日更新)
30〜60マイル/週で効果があり、70マイルを超えると故障リスクが高まることや週75〜120マイルが上限とされることなど、ランニングの適切な距離や増やし方、過剰な練習のサインを解説していますmarathonhandbook.com。
Runner's World「How to Make the Most of Low Mileage So You Stay Off the Sidelines」(2025年6月9日公開)
初心者は週10〜15マイル、経験者は20〜40マイルを目安とし、70マイル以上は高マイレージで故障リスクが増すと記載し、低〜中程度の走行距離で成果を出す方法を紹介していますrunnersworld.com。
JAMA Network Open「Weight-Bearing Physical Activity, Lower-Limb Muscle Mass, and Risk of Knee Osteoarthritis」(Wuら、2024年4月30日)
体重負荷のかかる運動と膝関節症リスクの関係を調査した論文で、下肢筋肉量が低い人では膝関節症リスクと関連したものの、筋肉量が中〜高の人では関連が認められなかったと結論付けていますpmc.ncbi.nlm.nih.gov。