ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー(2016) | 我が愛しのカルト映画

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ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー

Rogue One: A Star Wars Story

Director: Gareth Edwards

★★★★

 

 『EPⅣ』でデス・スターの設計図を受け取ったレイア姫だが、では、その設計図を帝国軍から奪い取った連中がどんな戦いをしていたのかが描かれる、『SW』ーガ初のスピンオフ作品。いかに「EPⅣ」の冒頭へと繋げていくかが命題の映画なんだろうが、『SW』ファンを納得させる仕上がりになっているのには感心する。『EPⅣ』で言及されていたセリフから勝手に想像を膨らませていた俺にとって、この映画はそのアンサーみたいになってる。反乱軍も「希望」のために命がけなわけだから、それを阻止しようと帝国軍も必死になる。おのずと戦いも激しいものとなる。命知らずのゲリラ部隊の行動が、及び腰の反乱軍の議員たちを動かすくだりにはグッとくるもんがある。モン・マスマ議長も内心ではローグ・ワンのような無謀な連中の行動を望んでいたんだろうから。

 

 クレニック長官がデス・スターの威力を盾に帝国軍内でのし上がろうと野心を燃やす姿は、サラリーマン社会と相通じるものがあってなんだか親近感を抱く。直属の上司であるモフ・ターキン提督は皇帝の顔色ばっか窺っているようだし、ベイダー卿はフォースを使って脅したりするしで、帝国軍のために尽力してるってのに踏んだり蹴ったりだ。全勢力を賭けて企画・開発に携わってきたであろうデス・スターを開発者の小娘にぶち壊しにされたらたまったもんじゃない。と、悪役ではあるが、このクレニック長官に肩入れしちゃうと、この映画も別の楽しみ方ができる(そうか?)。

 

 ビーチ・リゾートのような惑星での戦闘シーンは「SW」の世界ではかなり異質だ。もちろん、シリーズでは劇中に海が出てこなかったわけではないが、南国リゾートみたいな世界はなかった。『SW』はスペース・オペラの代名詞みたいな映画だが、この戦闘シーンを見るにつけ、戦争映画なんだな、と感じた次第。巨大なウォーカーの足がすぐそばまで迫り、踏み潰されそうになる。人間が相手にするにはあまりにも巨大な兵器だが、反乱軍は果敢にも立ち向かってゆく。考えてみると、この監督が撮った前作の「ゴジラ」も、巨大な怪獣にちっぽけな人間が立ち向かってゆく映画だった。そういう意味ではこの人選は最適だったのかもしれない。ただ、全体的に暗いシーンが多いね

 

 ターキン提督や、ラストで登場するレイア姫はCG合成か? ってくらいのソックリぶり。気になるのはチアルートとベイズのアジア系コンビの関係はなんかあやしい。K-2SOの絶命シーンは泣ける。

 

 ヤビン4でのアナウンスで呼ばれる「シンドゥーラ」の名前は、なぜか嬉しくなる。

 

【2016年12月16日(金)鑑賞】字幕版