1941(1979) | 我が愛しのカルト映画

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細かい考察はできませんのであしからず。

「1941」(1979)

1941

★★★☆(70点)

 

12月8日は日本軍が真珠湾を攻撃した日ということで、安倍総理がハワイで行われた式典に出席したニュース映像を見て、この映画のことを思い出した人も多いと思う(不謹慎?)。太平洋戦争勃発のきっかけとなった1941年12月8日の真珠湾攻撃から6日後の12月13日に日本軍の潜水艦がカリフォルニア沖に現れたことで、人々がパニックに陥るさまを面白おかしく描いた戦争コメディ。得体のしれない敵の出現に慌てふためくものの、それでも普段通りの生活を送ろうとするアメリカ人を見るにつけ、やっぱり戦争の捉え方が違うもんなんだなぁ、と実感しまう。狂騒的なパニックをギャグにしてしまう発想なんて、日本じゃ考えられないもん。

 

「ジョーズ」「未知との遭遇」と、70年代映画史に燦然と輝く大ヒット作を放ったスピルバーグの、一般的には「失敗作」とみなされることの多いこの映画。確かに、興行・評価ともに散々だったと聞くが、派手な見せ場が満載で、当時のスピルバーグの勢いが映画からも見て取れる。次から次へと出てくるギャグのオンパレードも楽しくってしょうがない。2大ヒット作を放った後だっただけに、スピルバーグも怖いもん知らずの状態だったんだよ。映画の冒頭に「ジョーズ」のセルフ・パロディを入れちゃうなんて、調子ぶっこいてた証拠だと思う。

 

脚本担当のロバート・ゼメキスとボブ・ゲイルの「BTTF」コンビと、製作担当のジョン・ミリアスのセンスが、スピルバーグによって形になった映画。確かに、ちょっと泥臭い笑いもあるが、逆に「へぇ、スピルバーグってこんなこともできるんだ」と気付かせてくれた。観覧車が人を乗せたままコロコロと転がったり、ハリウッド大通り上空を戦闘機が飛び回ったりと、特撮シーンもスケールがデカいわ。CG時代の今とは違って、手作り感があっていいね。

 

戦闘機のパイロットを演じたジョン・ベルーシは、どのシーンでもシラフに見えない。コーラの栓が開かなくって、瓶の首をパキンと叩き割って飲むとこなんか、嗚呼、ベルーシだなぁ、って嬉しくなる。顔を合わせるシーンはないがベルーシとダン・エイクロイドが「ブルース・ブラザース」以前に共演している。日本から参加の三船敏郎はさすがの貫禄。何喋ってんのか聞き取りにくいけど。若き日のミッキー・ロークも出てます、探してみましょう!

 

「1941」(1979)

ジョン・ウィリアムスのスコアとしてはあまり語られないけどマーチング・バンド風のテーマ曲が何気にカッコいい!!