(2014.2.13)てぶくろをかいに 4年生 | 切り絵 な 日々

切り絵 な 日々

自分の事 何かしなくちゃ! という 焦り から、好きな 切り絵 を再開。
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小学校で22回目のおはなし会でした。

今回は、4年生。
記録ノートによると、“聞ける子と聞けない子の差が激しい” , “落ち着きが無い” , “床に寝転ぶ” , “お話会に参加しない子は無視して進めた” などと書かれてありました。
ひぇ~~~~
どんなクラスなんだ!?
どんなプログラムで挑めば、聞いてくれるのだろうか?
テンポがよくって、ドキドキ感もあって、定番の昔話なら、飽きないで聞いてくれるかな・・
何冊か選んで読んでみましたが、いまひとつ しっくり来ません。
それは、今回、私が読みたいと思っていた本が他にあったからです。
新美南吉さんの「てぶくろをかいに」です。
先日の大雪で、あまり雪が積もらないここでも雪国の様な積雪があり、子ども達も雪遊びを楽しんだはず。初めての雪に驚く子狐の気持ちがわかると思いました。
美しい言葉で綴られたこの作品は、私が大好きな物のひとつです。
どちらかというと静かな印象の作品だし、語り継がれた昔話でもないけれど・・
やはり、私が届けたいと思う作品にしようと決めました。

さて、教室に行くと・・
先生がまだ出席を取っていました。
担任の先生ではなく、違う学年のI先生です。
発達障害や問題のある子の指導に理解のある先生です。
教室の横には、お客さんの様に、見知らぬ先生がそれを見ていました。
声をかけると、臨時採用の1・2月だけの担任だそうで・・
担任は、長期休養中。
知らなかった・・・・
落ち着かないクラスなはずです。

机を教室の後ろに運んで、床に座ってお話会が始まります。
子ども達は直に移動して、私が立っている側に陣取り始めました。
お話を聞きたい子もいるみたいなので、少し安心しました。
しかし、そこじゃ絵本が見えないでしょ!っていう所に座る子もいます。
私は絵本を持ち、「おばちゃん、こんな格好で読むから、見える所に移動してね。」と伝えます。
「そこじゃ、見えないんじゃない?」と言うと、
「俺、寒いからここがいい。」とストーブの前から離れない子。
その横には、くっ付く様に並んで座って、つつき合って遊んでいる男の子が3人。
ここが癌だな。
その他にも、邪魔をする気はなさそうだけど、何故か教室の後ろの方に座る子が2人ばかり・・。
「おはようございます。」と挨拶。
返事は小さな声だったので、もう一度挨拶をして、自己紹介をして、お話会を始めました。


●「てぶくろをかいに」新美南吉/文 わかやま けん/絵
てぶくろをかいに (おはなし名作絵本 4)/新美 南吉

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あとがきから作品の紹介をさせてもらいます。
『てぶくろをかいに』は、子ぎつねがはじめて初雪をみる新鮮なおどろき、てぶくろを買ってやろうと思う母親のやさしい気持、魔法のように子ぎつねの手を、人間の手にかえてしまう不思議さ、母親の人間に対する不信感。にもかかわらず、洋品店の主人の思いやりのある態度、ひとりでお使いをする冒険、人間の親子の「森のきつね親子」についての対話、そして子守唄。こうして、子ぎつねは人間への信頼感を持ちます。

「ほんとうに にんげんは、いいものかしら。ほんとうに にんげんは、いいものかしら。」と言う、お母さん狐のつぶやきで終わります。


新美南吉さんの美しい言葉遣いを大切にしたくて、静かに淡々と読みました。

お話しの好きな子は、直にこの世界に入ってくれたようでした。
でも、自分たちで遊んで、邪魔をする子達がいるのです。
時々、ページを繰らないで、遊んでいる3人組の子達の顔を見つめました。
気づいて、邪魔はしないでくれるようになりましたが・・
そして、ストーブの前で陣取っている子、後ろの方に居る子、一番前で「見えない!」と言う子、いろんな子の顔をゆっくり見ながら読み進めました。
とりあえず、静かに落ち着いて最後まで読む事が出来て良かったです。

お話し会の記録ノートがあって、助かりました。
覚悟して望めたので、対処出来ました。

同じ作者の「ごんぎつね」は4年生の教科書に載っているそうで、みんな知っていました。
「ごんぎつね」は作者が17才、「てぶくろをかいに」は20才の時の作品だそうです。
先月読んだ「あめだま」も、いいですよねー
30才前に夭折されたそうで、残念です。

君たちも直に17才になっちゃうんだよ!
これは、年を重ねたおばさんである私の心の声です。

家で読んだ時は11分程でしたが、始まりも遅れたし、余韻の中 落ち着かない子の顔を見つめている時間もあったので、用意していたもう1冊は読まずに、時間ちょうどで終わりました。


後で、4年生のお母さんに聞いたら、学級崩壊で担任も身体を壊したとか・・・
悪いのが集まっちゃったのよねー
1人1人別々のクラスの時は目立たなかったのに、群れると悪い事をする未年なんだそうな。
先生大変だなあーー





「てぶくろをかいに」は、いろんな絵本が出ています。
図書館にあるのも、小学校の図書室にあるのも、黒井健さんの絵のものです。

手ぶくろを買いに (日本の童話名作選)/新美 南吉

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本屋で見かけるのも、こちらの方が多いです。
こちらもとても素敵な絵ですが、大人っぽい雰囲気。
今回使った若山憲さんのが、暖かい雰囲気で私のお気に入り。
「こぐまちゃんシリーズ」を書いた わかやまけん さんです。