もう11月ですね。
随分とご無沙汰しています。
死別とは直接関係のないことですが、
知ってもらう価値があると思い、記事にします。
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最近、ある獣医さん(女性)と話す機会があった。
獣医さんというと「動物のお医者さん」。
偏見かもしれないが、なんだか優しくてほんわかして、
いつもニコニコしているようなイメージがあったのだが、
そういうものが一瞬で吹き飛んだ。
彼女曰く、獣医が仕事上感じているストレスは半端ないという。
それには様々な要因があるそうだ。
例えば、
1.医師は人間だけ、それも専門部位だけを診れば良いのに比べて、獣医師は全ての動物の全ての病気を診なければならないので、要求される知識量が半端ない。実際には、犬や猫が大半だとしても、犬猫にも多くの種類がある。
2.動物は言葉が喋れない。どのように具合が悪いのか、どこが痛くて苦しいのかなどの重要な情報が動物から得られない。故に、病名はなんなのか、治療の結果、改善しているのかなど、獣医師が推測しながらひとりで判断・治療していかなければならない。当然、上手く行かないことも多い。
3.治療される動物たちも必死なので、どんなに注意しても、時には噛みつかれたり負傷することもある。
4.飼主からは夜中であろうと容赦なく電話があり、対応しなければならない。
5.獣医は医者ほど敬ってもらえないし、責任の重さに比べて社会的地位も収入も相対的に低い。
6.人間には安楽死が認められていないが、動物には認められている。治癒が見込めない場合など、飼主は簡単に安楽死を選択するので、獣医自ら患獣を殺す機会が多い。仕事と割り切っていても、この心理的な負担はかなり大きい。
このような労働環境のために、精神を病んだり廃業したりする獣医が後を絶たないという。
6に関しては、2年前に自殺した台湾の女性獣医師を思い出す方もいるかもしれない。
では、これはかなり特殊なケースなのか?
彼女曰く、そうではなく、わりとあるそうだ。
彼女が学んだ獣医師学校の仲間にも、何人かは自殺者や自殺未遂者がいるという。
なんだか納得出来ないでいる僕に、彼女はあるものを見せてくれた。
彼女の友人の獣医師が自殺未遂したときの医師の診断書だ。
そこには「薬物による自殺未遂」とハッキリ書かれていた。
そもそも動物が大好きで動物を救いたくて獣医になったというのに、理想と現実のギャップがとても大きいのだ。
そのことは、例えば英国の職業別自殺者統計の次の数字にも表れている。
”獣医の自殺率は、他の職業の平均よりは4倍も多く、
人間の医師や歯医者よりは2倍も多かった。”
もちろん、勤務医の多い日本と
個人経営の多い英国やB国を同列に扱うことはできないが、
大変な仕事であることは容易に想像できるのではないか。
そういう彼女もかなりのストレスを抱えており、
近い将来には廃業して別の職業に就きたいと語ってた。
そして、僕は納得して頷くことしかできなかった。
どんな仕事にもそれぞれ大変な部分がある。
しかし、獣医のそれは想像を遥かに超えていて、
少し理不尽ですらあると思われた。
何十年も生きてきて、知ったつもりになっていたが、
世の中にはまだまだ知らないことが沢山ある。
そういう気付きがあった。
そしてもうひとつ。
ペットに起因する問題の殆どは飼主に責任がある。
充分に世話ができないのに飼い始める。
どんどん不潔になっていき病気になる。
避妊・去勢を怠り、どんどん子が増える。
手に負えなくなると、簡単に捨てたり、保健所に持ち込んだり。
その結果。
21世紀の現在、減ってきているとはいえ、
日本でも年間5万匹以上の犬猫たちが
アウシュビッツのガス室と全く同じ残酷な方法で
殺処分されているという驚くべき現実があります。
(動画などもググればすぐに見つかります)
小さくとも、ひとつのかけがえのない命です。
なんとか救うことはできないのか?
私達に何かできることはあるのか?
はい、あります!
1.現在、犬猫を飼っている方
避妊手術、去勢手術を必ずしてください。(放し飼いにしていると外で子を作ります)簡単に諦めずに最後まで責任を持って世話をしてください。
2.これからペットショップで可愛い犬猫を買おうと考えている方
まず最寄りの保健所へ行き保護されている(殺処分待ち)の犬猫を見てください。そして、その中から選んで一匹持ち帰ってください。(一匹救えます!)
3.自治体は定期的に里親探しのイベントを開催してください
B国ではかなり一般的で、毎週のようにイベントがあります。そして多くの犬猫が貰われていきます。
こういったことが徹底されることにより、
殺処分を減らすことにつながり、
今の状況は少しですが改善します。
どうか、ご協力をお願いしますm(_ _)m
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