<西葡旅行記 6> ポルトガル中部 1 | ☆妻の子宮体がん日記+その後のこと☆

☆妻の子宮体がん日記+その後のこと☆

子宮体癌(低分化類内膜腺癌 G3)ステージ4b、遠隔転移あり。
3年間の闘病の末、2016年7月、妻は永眠しました。
闘病と治療の経過、死別と立ち直りについて綴って行きます。

※今年10月11日~25日のスペイン・ポルトガル旅行
についての記事です。更新遅いです。あしからず。


足を棒にして歩き回った首都リスボンを後にして北上。
僕たちはポルトガル中部を目指しました。

ほどなく到着したのはオビドス

オビドス Óbidos

『谷間の真珠』とも呼ばれる中世の面影を今に残すオビドスは、城壁に囲まれ丘の上にある小さな村です。1228年にデニス王は、この地を訪れ深く魅せられたイザベル王妃にオビドスをプレゼントしたことから、19世紀まで代々ポルトガル王妃の直轄地、別名“王妃村”(Vila das Rainhas)として栄えました。

興味のある方はこちらも参照ください。
(ただし英語ですが・・・ ^^;)



 ★この城門をくぐって城壁の中に入ります。



 ★城門のアズレージョ(青タイル絵)


何故だかよく分からないんだけど、
観光客は皆ココで記念写真を撮っていました。

あ、因みに、アズレージョ(青タイル絵)は
ポルトガルを象徴する美しい装飾で
これから先、ビシバシ出てきますよ~。



 ★城壁を内側から眺めた図



 ★城壁の内部はお土産屋さんだらけ (^^ゞ


もちろん例に漏れず、妻と義母は
脳内に大量のドーパミンが放出されたからか
もう休みなく買い物しまくりでした。はい。



 ★可愛らしいサンタマリア教会



 ★内部は神聖な雰囲気・・・



 ★よく見ると両壁面はアズレージョで装飾されています



そして、教会を出て、しばらく歩くと・・・
おお!マイ・ガッ!!

オビドスの古城 に到着!!!


 ★おお!これぞ古城オブ古城。カッケー♡



 ★正面の城壁を登ると・・・



 ★高所恐怖症の僕はオシッコちびりそうでした (///∇//)



 ★お城がこの迫力で迫ってきます。キャーキャー。



そして・・・

カッコイイ古城の余韻に浸りながら40キロほど走ると、
ポルトガルの至宝、
アルコバッサ修道院(Mosteiro de Alcobaça)
に到着しました。

アルコバッサ修道院 (Mosteiro de Alcobaça)

ポルトガル初代国王アフォンソ1世の所願により、1178年に建築が始められた。フランスのシトー派の影響を強く受けている。修道院の正面ファサードは18世紀に改築されたバロック様式だが、内部はゴシック様式が残り、強い精神性を感じさせる。南の翼廊にはポルトガル文学で悲恋が歌われるペドロ1世と愛妾イネスの墓が並んでいる。



 ★バロック様式のファサードは堂々としています



 ★嘗て沢山の修道士達で賑わったであろう広い食堂



 ★中庭もなかなかシンプルです



 ★教会内部。シンプルなデザインに強い精神性を感じます。



と・・・

ここまでは実は前座のようなものです。
ここから大トリの登場。

上記の説明文にもありましたが、
南の翼廊にはポルトガル文学で悲恋が歌われる
あるカップルのお墓が並んでいます。

そのカップルとは、ペドロ1世と愛妾イネス
ん?なに?妾???
そう、「正妻」ではなくて「愛人」なんです。

つまり、ペドロ1世は不倫に走った挙句、
最重要な聖なる場所である修道院内部に
愛人のお墓を建て、自分の死後にはその隣に
自分のお墓を建てちゃったとんでもない人なんです。

興味のある方はWikipedia記事中の
ドン・ペドロとイネスの悲恋 を参照してください。


・・・でもね。正直に告白すると
ペドロ1世、嫌いじゃないです。


自分の立場も周りからのプレッシャーもはねのけて
「禁じられた愛」に生きたドン・ペドロ。

自分に嘘をつけない、
ある意味とても純粋で
真っ直ぐな人だったんでしょうね。
そこに(いい意味での)人間臭さを感じます。

そもそも彼の場合は、父親の意向による政略結婚で
本人の意思に反して結婚させられた訳だし。
(まぁ本妻の
コンスタンサも可哀想ですが・・・)



さて、前置きはこれぐらいにして、
聖堂内に並び置かれた彼らの墓を
みていきましょう。

因みに、これほどまでに美しい墓を
僕はこれまで見たことがありませんでした。


まずは、愛妾イネスの墓。

大理石でできた棺には細かく繊細な彫刻が施されており
ドン・ペドロのイネスに対する深い愛情を感じさせます。


 ★思わず息を呑むほどの圧倒的な美しさ



 ★安らかに眠るドナ・イネス




 ★棺には聖書の有名なエピソードが彫られています



 ★最後の審判



次に、ペドロ一世の墓。


 ★イネスの墓と同じスタイルです。美しい。



 ★安らかに眠るペドロ1世




 ★聖バルトロメウの一生が彫られています