今回は昔ばなし風~

あれは半月程前の事じゃった~。
ある所に、ちびらぶどんという
オバハンがおってな、
ちびらぶどんには
ミジンコの様な小さな目をした
それはそれはつぶらな瞳の
ミジンコ姉妹がおったそうな。
そんなある日の事じゃった。
ちびらぶどんの家の冷蔵庫から
一つのアイスが出てきたそうな。
すると、風呂あがりの小ミジンコが
「ママ、これ食べていいですか

と聞くので、ちびらぶどんは
「いいよ~

その時じゃった



突然現れた大ミジンコが
「何言いよるん

それは、うちがとっておいた
アイスじゃーね





と、ものすごい勢いで怒り出した

じゃがしかし、
美味しい物が掛かっているもんで
「違うよ

ママに買ってもらって
大事にとっておいた
2号のアイスよっっ


と小ミジンコも譲らない

そのまま大喧嘩を始めた
ミジンコ姉妹を見ながら
ちびらぶどんはどうしたもんかと
考えた。
そしてジャンケンを
させた。
ミジンコ姉妹は納得いかない
感じじゃったが、
2人のうるささにキレ気味の
ちびらぶどんの睨み付けにより
しぶしぶジャンケンをした。
その結果、ジャンケンに勝った
小ミジンコがウットリと
アイスを味わい、
負け犬の大ミジンコは
ダンダンと足音を立てて
「ぶちムカつく

あれ、絶対うちのやったのに


と、捨てゼリフを吐きながら
台所へ出ていった…
その後、お風呂で、
小ミジンコが一足早く
上がって行った後、
体を洗っていた大ミジンコに
「あんた、まだ野生が
半分残ってるような
あんなちっちぇのを相手に
88yenのアイスを
本気で取り合わんでも
ええんやないの

と、諭そうとしたちびらぶどん。
すると

洗体場の床をバンバンたたきながら
「ママはあの美味しさを
知らんけーいーねっっ




とマジギレの大ミジンコに
反撃をくらってしもうたそうな…

たとえ親子であっても
目上への口のきき方には
めっぽううるさいちびらぶどんも
さすがにあの真剣な眼差しには
何も言い返せなかったそうじゃ

あれから半月…
ちびらぶどんは
ミジンコ姉妹を連れて
買い物に出掛けたそうな。
すると、ちびらぶどんの目に
アレが飛び込んできたんじゃと


ちびらぶどんは、
思わずアレを手にとった

そう、噂のアイスじゃ

しかも、ちゃんと2人分じゃ


これで安心安心

冷凍庫にアイスをin

ふと、後に取りに行った方の
パニックを見たくなってしもうた
ちびらぶどん。
もう1つは、
わざとアイスを入れる場所と違う所の
焼きのり&ちびらぶどん好物の
BOOウィンナー・中華五目味(えっ


の下に隠してみたんじゃと。
2個買ってるのを見ていた
ミジンコ姉妹。
自分の分もあると思って
後に取りに行った方の
反応が楽しみじゃな

大ミジンコは、夕まんま後に
すぐにデザートで
幸せそうに食べておったそうな
そんな大ミジンコの横顔を見ながら
ちびらぶどんは思った。
「こいつ、一個しかアイスが
無いのを見て、2号のが
無いって事が気にならんのか

普通は一個しか無かったら
自分が食べてええんか
気にするやろ~

そして、「お風呂上がりに
食べた方が美味しいから
2号は我慢する~

湯上がりのアイスを楽しみにしていた
小ミジンコ。
何も知らずに冷凍庫を開け
しばらくフリーズ

期待通りに、ちびらぶどんの
想像通りのパニック振りを
見せてくれたのじゃった。
冷蔵庫から野菜室まで
くまなく探して自分のアイスを
見つけ出した、
小ミジンコの最高の笑顔は
後世に語り継がれることじゃろう。
そして
すぐに食べるのに
アイスにマーキングをしていた
後ろ姿もたくましい限りじゃ。
みなの衆も食べ物の恨みには
気を付けてな~

めでたし、めでたし


