チベせん日記 -330ページ目

祖母の死

祖母が亡くなった。


昨夜遅く、東京から帰ったその足で病院に行った時はまだ呼吸をしていたが、待っていたかのように今朝方息を引き取った。
早速あれほど帰りたがっていた自宅に遺体を移す。
明日が友引きで日取りが悪いので通夜が明後日、本葬が明々後日になるそうだ。よかったねおばぁちゃん、一日長くお家にいられるね。

が、ここから喪主である叔父ヒロアキが早速わんぱくに仕切り出す。
この男、人生を挫折知らずで歩んできたため、人の意見を聞かないところがあり、タチが悪い。。それだけでもめんどくさいのに、続いて東京から別の叔父エイキが帰省。こちらはちょーマイペースで、こちらが忙しくしているのに、

「ねぇ、TV見たいんだけど(゜Д゜)」
(病室から下げてきたまま設定していなかった。。)

とか言ってきて(厳密には聾唖なので“言って”はいないが)
さしあたり映る状態にして自分の仕事に戻ると今度は、

「ねぇ、BSデジタルが映らないんだけど(゜Д゜)」

と、きりがない…。
仕方なく、リモコン設定をしてやり、アンテナの角度をあわせて戻ると、せっかく設定したリモコンをいじりやがってまたゼロからやり直しになる!(怒)

リモコンいじんなやゴラァアアアアアッ!!

続いて郷里のお寺から生臭坊主Jr.が枕経を上げに登場。
ジュニアはその昔(といっても10年前)スカイラインGT-Rを買ってくれるのを条件に仏の道に進んだ慈悲深い方なのだが、護国寺のI和上曰く、こういう同機で得度する者が日本の仏教界の約108%を占めているらしい。なんともありがたい話である。
さて枕経、と思ったらいつもの如くマイペース@叔父エイキがいない。今更着替えに行ったらしい。。
叔父エイキ待ちの間、今度は喪主ヒロアキがテーブルの上のおばぁちゃんの写真立てを持ってきて、


「せっかくだから母さんも参加したらいいよ(゜Д゜)」

と亡き本人まで写真という形で自身の枕経に参加させる…。
ところでうちは曹洞宗なのだが、なぜかおばぁちゃんは今際の際に近いころに「…高野山」と、何度も口ずさんだらしく、それでは真言宗つながりだしと、先日護国寺でいただいた光明真言を枕元にこそっと置いてみる。この辺でワシも悪乗りに参加。さてジュニアは気がついただろうか?

やがて叔父エイキが登場し、枕経スタート。
ワシはというとこんな生臭坊主Jr.の邪悪な読経でおばぁちゃんの魂が沈んではいけないと、ジュニアの後頭部に向かって読経中、必死にトンレンを続けた。
なぁ、ジュニアよ。貴様の煩悩はワシが吸い取ってやった。次はオヤジを連れてこい。
(´-ω-)y-~~~

枕経が終わり、そろそろ食事の時間なのでどうする?と叔母たちと話しをしていると喪主ヒロアキがサイフをワシに差し出しながら、


「とりあえず寿司でも買ってきてよ(゜Д゜)」


とサラッと言ってきた。。

Σ(;-□-)えッ!?こういう場合って普通、精進料理じゃね?
そう聞き返すと、

「大丈夫だって、本人も好きだったからそのほうが喜ぶって」

「・・・・・・・。」

そういう問題なのかと思いつつも反論すると逆ギレするので素直に寿司屋にパシる。

一時間後。仏様の枕元に生臭い料理を並べて食事を開始する罰当たりな我が遺族。せめておばぁちゃんの御膳に大好きだったアナゴをのせていい?と聞くと、喪主ヒロアキ、

「お♪せっかくだから最後お棺に入れてやったらいいんじゃね (゜Д゜)?」


と、末恐ろしい提案をしてくる。。

が、こんな罰当たりな男にもわずかに羞恥心があるらしく、弔問客が訪れるたびに、

Σ(;゜Д゜)ちょっ!!寿司隠せ寿司!!(汗)
と焦り出し、その度に机を持って右往左往するドリフのようなバカ遺族…。

あぁ…こんなんじゃおばぁちゃんがうかばれないよ 。・゜・(ノД`)・゜・。

雑用を終え、今日ワシがやれることはもうないので、おばぁちゃんにバイバイしてから帰ろうとしたら、喪主ヒロアキが仏様のおばぁちゃんに向かって遺影を見せながら、

「母さん、写真これでいい(゜Д゜)?」

とご意見をうかがっていた。。

神様!!ボクはいま胸が張り裂けそうです!!(泣)
どうかこの男が来世コオロギに転生しますように(-人-)

おばぁちゃんごめんね(泣)
明日また行くけど、チベット仏教ではバルドーに入った時は、生前本人が一番慣れ親しんだお経をよんであげたりしてポアするんだって。でもお経なんかより大好きだった歌劇とか歌舞伎とか能とかの方がいいと思うので、適当に見繕って明日また伺います。