マルカンデパート大食堂
「花巻のマルカンデパート大食堂がすごいらしい」。
先日の花巻行きの際、せっかく花巻へ行くのだからなにか地元の美味しいものを食べようと事前にリサーチをしていたところ、数名の方からその“伝説の大食堂”の名前を聞かされた。
なんでもそこは高度経済成長期から時計の針を止めてしまった、昭和のチビッ子が訪れたら泣いて喜ぶ大食堂らしい。
なになに!?それを聞いたからには昭和のチビッ子として訪れぬわけにはいかない。
というワケで先日、観音山の除幕式に参加した帰り道、すでに食事を済ませているにもかかわらず、マルカンデパート大食堂に凸してみた。
マルカンデパート外観。
これが売り場の案内図。さすが花巻随一の百貨店だけあってフロアごとに「オシャレとゆとりの街」とか「ハイセンスな街」等、コンセプトが決まっており、セレブ感にあふれている。
昔、近所にあったトーコーチェーンの店内にそっくりで懐かしくてオシッコ漏らしそうになった。
が、我々の目的地は1F「オシャレとゆとりの街」ではなく、6F「ファミリーライフの街」・展望大食堂である。こんなところで懐かしさに浸っている場合ではない。さ、撤収。
エレベーターのドアが開き、この光景が目に飛び込んできた瞬間の感動を自分は生涯忘れないだろう。
圧巻のショーケース。
昭和のデパートの大食堂だけあって和洋中なんでも揃っている。
ここに向かっている道中、車内で「お子様ランチはやっぱ旗が立ってるのかな?・笑」と話していたのだが、しっかりと旗が立ててあり、期待を裏切らなかった。また、上段のあんみつが見事に缶詰のフルーツで構成されていて、ある意味チープな昭和の食文化をかたくなに守り抜く老舗ならではのこだわりが感じられた。
ナポリタンの上にカツを乗せてしまうなんていったい人類はどこまで強欲なのだろうか。。
きっと賢治さんも草葉の陰で泣いておられることだろう。。
(でも次に行った時は絶対にコレ食べます)。
注文は事前にレトロな食券売り場で食券を購入するシステムになっている。
が、残念ながら興奮してその食券売り場の写真を撮り忘れた。
さて、じつはここの大食堂は巨大ソフトクリームが名物で、その高さはなんと25cmもあるのだが、さすがにそんなの食べきれる自信がないので、自分は地味にメロンソーダを注文。
写真はY女史が注文したソフトクリームミニ。
ちなみにこれが巨大ソフトクリーム。お値段なんとたったの140円!!
なんでもこの高さまで巻くには熟練した技術が必要なんだとか。
で、そのソフトクリームの巨大さもさることながら、さらに驚いたのは客の八割方がまるでコーヒーでも注文するかのようにこのソフトクリームを注文し、しかも全員それを箸で食べている!!
もうそれがあまりにも当たり前らしく、テーブルにソフトクリームが運ばれてくると皆さん自然と割り箸を手に取ってパチンと割って食べ始めるからもうカルチャーショック!!(笑)
でもここの大食堂、よく見ていると平日の中途半端な時間に行ったにもかかわらず、入れ替わり立ち替わり客足が途絶えず、客層も高校生のカップルだったり、有閑マダムの集まりだったり、サラリーマンが遅いランチ食べていたり、八十婆さんがラーメンすすっていたりと、どの世代にも幅広く支持されていることが分かり、あーきっとここは花巻市民の憩いの場なんだろうなぁとしみじみ。
事実、シャッター街と化しつつある町の中心街にありながら、ここだけは連日大盛況らしく、今やマルカン百貨店の売り上げの大部分をこの大食堂が稼ぎ出しているそうだ。
自分が子供の頃、地方のデパートの最上階にはこういう食堂が必ずあったように記憶しているが、そのほとんどは時代にあわせて様々な形態へ変化を遂げていった。
一方、ここマルカン大食堂は“変わらないこと”で時代の荒波を乗り切り、100年に一度の大不況のこのご時世も、花巻市民に支えられ続けている。
う~ん“変わらない”って凄い。。
というワケで冷やかし半分でのぞきに来たつもりのマルカン大食堂でしたが、「まいふぇーばりっとれすとらん」に堂々のランクインをするいつまでも変わらず残ってほしい、そんな(ある意味)素晴らしいレストランでした。
皆さんも花巻におこしの際はぜひ一度は足をお運びください^^
【マルカン百貨店 大展望大食堂】
http://www.marukan-group.jp/live/department/6f.html