昔々、あるところでカンシャ、ドリョク、ゼツボウの3人が旅をしていた。

とある酒場でデジタルというお酒を飲んだ。

すると、3人はデジタルに取り憑かれてしまった。

デシタルは想いを文字にしてそこに含まれる文字にならないものを見えなくする。

言ってみれば、想いに壁を作って、牢獄に閉じ込めるようなものだ。

3人は想いに壁を作られて、切り離されてしまった。

カンシャは感謝を忘れた。

感謝? kansyaと打っておけばいいや。それで伝わるだろう。enterっと。

感謝を文字で打つだけになった。

言葉だけの感謝。

そこに想いはほとんど籠もっていない。

カンシャの感謝は薄くなった。

ドリョクは努力を忘れた。

頑張るなんて、時間×エネルギーと給料の交換にすぎない。

ギブアンドテイクでやった分だけ受け取るだけだ。

時間まで適当に頑張ればそれでいいや。

タイパ、タイパ。

ドリョクの努力は薄くなった。

ゼツボウはさらに絶望した。

みんなスマホの画面ばかり見て、人の顔を見もしない。

ソーシャルディスタンスを作られて、どこでも見えない壁ばかりだ。

仕切られた壁の中でどんどん孤独になっていく。

虚しい、寂しい、哀しい。

ゼツボウは、独りぼっちだと思った。

頭がデジタルに変換されていく中で、変換できない想いが胸に積もっていった。

ありがとうだけではない想い。

助かるよ、これからもつながっていてね、支えられているよ。

カンシャは仕切られた壁から、ありがとうが文字に納まりきれないのを感じた。

頑張ることは等価交換だけではない。

その場を整え、人を元気にして、見えない力をくれる。

ドリョクは頑張ることはタイパだけでなく、時間を超えて、空間に刻み込むようなものだと感じた。

ゼツボウの絶望はさらに深くなった。

世界から切り離されて、個別のスクリーンの中。

想いが伝わらなくて、砂漠のよう。

心が乾いてカラカラになってしまった。

カンシャはゼツボウにLINEした。

「ゼツボウ、文字だけでは伝わらないけど、本当にいつもありがとうと思っているんだよ」

ドリョクはゼツボウにLINEした。

「ゼツボウ、いつも気にかけているよ。ゼツボウといつも一緒だよ」

ゼツボウはLINEなんかしないで直接、話してくれと思った。

ゼツボウはグループラインにメッセージを打った。

「スマホなんかしてないですぐ集まれ!」

3人はバラバラになっていたが集合した。

みんなスマホのしすぎで、空気を読むのが下手になっていた。

ゼツボウは言った。

「スマホなんてあるから、悪いんだ。こんなもの!」

ゼツボウはスマホを地面に叩きつけた。

スマホは液晶にヒビが入って画面が見られなくなった。

カンシャとドリョクの2人は、あの最新式のスマホは高かったのに…と嘆いた。

ゼツボウは絶望した。

あぁ、PayPayもAmazonもYouTubeも使えなくなった。

ゼツボウはどんより落ち込んだ。

カンシャもドリョクも近づけないほどの闇におおわれた。

2人は思った。

……くるぞ!

そのとき、風が吹いた。

チャンスの天使が現れた。

天使は言った。

一念三千

一念三千とは?

一念三千とは、天台宗の重要な教えで、一瞬の心(一念)に三千の世界(宇宙のすべて)が具わっていることを意味します。私たちの心は、常に変化し、様々な感情や思考が生じます。その一瞬の心の動きの中に、宇宙のあらゆる要素が含まれていると説きます。この教えは、私たちの心が宇宙と深くつながっていること、心の持ち方一つで世界が変わること、今この瞬間を大切に生きることの重要性を示しています。一念三千を理解し、実践することで、自己の内面を見つめ、心を磨き、より良い未来を築くことができるでしょう。

Geminiより

カンシャは悟った。

感謝を思い出した。

感謝はkansyaという文字だけじゃない。

感謝の一念は三千世界とつながっているんだ。

言葉にならない奥深さが豊かさを与えてくれる。

ドリョクは悟った。

努力を思い出した。

頑張ることは時間をお金に交換することだけじゃない。

心を輝かせることだ。

頑張る一念で三千世界を輝かせるように心を燃やして生きることだ。

ゼツボウは悟った。

ゼツボウは絶望の淵から立ち直った。

絶望の一念は地獄の暗いところとつながっているんだろう。

でも、それが天国ともつながっているなら、絶望が希望に変わることだってある。

デジタルが壁を作って世界を切り離すとしても、一念三千は無限に広がってるんだから。

取り憑いていたデジタルが砕け散った。

閉じ込められていた壁から解放された。

この一瞬は、無限の世界とつながっている。

3人の胸に吹く風は、どこまでも自由だ。

カンシャは言った。

「ありがとうって深かったんだな〜文字だけじゃない。奥深い豊かな世界とつながってる」

ドリョクは言った。

「頑張るのは、時間だけじゃないんだ。その時間に籠められる想いがある。想いは数字にはあらわせない」

ゼツボウは言った。

「大事なことはLINEじゃなくて、直接、話そうよ。文字だけじゃ伝わらないから。みんなと会話したいよ」

3人は笑顔を取り戻した。

カンシャ、ドリョク、ゼツボウの3人の胸に風のエネルギーがチャージされた。