オンナは言った。

「わたしはあなたを愛してる。この手のひらでいっぱいに」

オトコは言った。

「手のひら? そんなに小さいの?」

オンナはお釈迦様のようになった。

オトコは孫悟空に。

オトコが筋斗雲でどこまで飛んでも、先が見えない。

ずっーと飛んだ先に柱があった。

そこに描いた。

オトコとオンナの相愛傘。

元にもどったオトコにオンナは自分の指を見せた。

そこに描いてある小さな相愛傘。

オンナは嬉しそうに微笑む。

オトコは目を丸くする。

オトコは、筋斗雲で飛んでいるとき、優しさと思いやりに包まれていた。

心地よい風が吹いて、お風呂のようにあたたかかった。

それはオンナの心。

オトコはオンナの手のひらに包まれて幸せだった。

でも、孫悟空じゃイヤだから

それだと、フェアじゃないから

オンナの手のひらで遊ばれるオトコじゃ、嫌だと思った。

オトコは悟りを開いた。

孫悟空から、スーパーサイヤ人になった。

お釈迦様のオンナに負けない人間。

お釈迦様とスーパーサイヤ人のスーパーカップルは、神界で有名になった。

……昔はお釈迦様の手のひらに収まっていたのに。

ヒソヒソ

……今では、お釈迦様がスーパーサイヤ人に包まれてる。

ふたりは末永く、幸せに暮らしたそうだ。