昔々、あるところにモテナイとファンがいた。

モテナイはSNSをしていた。

ファンはモテナイのSNSに毎日、コメントしていた。

モテナイはファンが自分のことを好きだと思った。

ファンと付き合えると思った。

モテナイは、SNSではキザなキャラ。

いつも甘い台詞を書いて、女性をうっとりさせている(と思っていた)

リアルでは、女性と話したことがほとんど無い。

SNSでのフェイクのようなキャラ。

ファンはそのキャラに興味があるのに、モテナイは本人のことを好きだと思い込んでしまった。

モテナイはファンに言う。

「今度、会いませんか? お話したいです」

ファンは、モテナイからキラキラした言葉を聞けると胸踊らせて会いに行った。

モテナイと待ち合わせしたファン。

一目見て、違和感。

……ぶ、ぶさいく。

モテナイはニコッと笑いかける。

……キモいんだけど。

モテナイは、女性との会話がわからなかった。

ファンへ一方的に話しかける。

ファンの心は凍りついた。

……なんだ、こいつ。SNSと全然、違う。

キラキラしたイメージは崩れ去り、ファンは一刻も早くその場から逃げたかった。

フェードアウトされたモテナイ。

モテナイは、なぜ、去られたのかわからない。

SNSとリアルのギャップ。

モテナイは、こりずにSNSでキザキャラを演出する。

SNSではキラキラしていて

美男子のようであった。