本屋で美しい音楽が流れてきた。

その儚さが、世界の滅びを連想させた。

情報溢れる本たちは、遺伝子を残そうとする最期の種。

本を読むことは、畑に種を埋めることに似ている。

言葉たちをしまい込み、それが発芽するのを待つ。

いつ芽吹くかわからない。

読んだ本の言葉のいくつかが、やがて力を持つ。

世界が終わる日まで、遺伝子を遺そうとする願いは続くだろう。