月曜と金曜は、燃えるゴミの日。

前日の夜は、たまったゴミをまとめてゴミステーションへ早めに捨ててくる。

ゴミ袋をまとめて玄関へ向かうと、決まって娘が「娘も行く!」と走って来る。

夜風に当たりながら、娘をおんぶし、家3軒分のゴミステーションまでの距離を歩く。

「お月様が出てるね」

「寒くない?」

幼児期は、家で言えば土台になる基礎を作るとき。

どんなに立派な建物も、基礎が弱ければ倒壊の危険がある。

幼児の要求は、愛されること。

要求に応えることで、少しずつ基礎が丈夫になる。

娘をおんぶするとき、両手がゴミでふさがっていれば、首で娘の手を抑えるんだ。

すると、首がしまって、「グヒッ」となる。

娘が落ちないようにバランスをとって。

パパにおんぶしてもらった記憶。

娘の心の奥にきっと残る。

私も、娘をおんぶしてゴミステーションまで歩いたことは、一生、忘れない。

いつか「娘も行く!」とは言わなくなる日が来るのだろう。

どんなことにも期限があって。

すべてのことは変わりながら、消えていく。

それでも残るものを思い出という。