不惑の歳を過ぎ、髪がすっかり、薄くなった。

ベリーショートにした髪にちらほらある地肌が、光を反射している。

歳をとるにつれ、何かを失う。

若い頃、豊富にあった髪は、もう戻らないだろう。

息子(小4)が何気なく言った。

「ハゲやめたら?」

やめたくても、やめられないんだ。

季節がめぐり、落葉樹の葉が散るように、落葉おじさんの私の髪も散っていく。

永遠のものなどなく、すべては散っていくのだと、息子も、いつか気づくときが来る。

それが、大人になることだよ。