風に吹かれてなびく草が膝小僧まで伸びたとき、そろそろ草取りをしなければならないと思った。
重い腰があがらなかったのは、灼熱の太陽が照りつけていたからだ。
台風の季節になり、夏から秋へ変わりつつある今こそ、草という自然の余計な贈り物を刈るべきときだと思った。
私の草取りは、一風、変わっている。
使うのはカマではなく、クワだ。
畑を耕すように、庭の土にクワを打ち込む。
これまで何度もクワを打ち込まれた土は、ほとんど抵抗することなく、クワを受け入れる。
土台を失った草は、地面に横たわり、その命を失うだろう。