インフレターゲット日銀受入 等騒がしいですが
もし仮に今後一切インフレは起こらないという前提で
1.定年退職後夫婦2人の所帯
2.夫婦の収入は年金のみ、年金受給額は年間280万円で一定
3.所帯の支出は初年度380万円で、その後も変わらず
4.現在(2012年末)時点の所帯の貯蓄は3000万円
このようなケースで、今後5年ごとの貯蓄残高を計算すると
・2012年 単年度収支(-100万円)、年末時点資産残高(3000万円)
・2017年 同上 (-100万円)、同上 (2500万円)
・2022年 同上 (-100万円)、同上 (2000万円)
・2027年 同上 (-100万円)、同上 (1500万円)
・2032年 同上 (-100万円)、同上 (1000万円)
・2037年 同上 (-100万円)、同上 ( 500万円)
・2042年 同上 (-100万円)、同上 ( 0万円)
上記のようになり、毎年100万円づつ資産は減少しますが、
2012年時点で3000万円の蓄えがありますので、
向こう30年間はなんとか生活してゆくことができます。
では、ジンバブエ・ドル とまでは言いませんが
上記と全く同じ条件で、毎年2%づつインフレが進行する
と仮定すればどうでしょうか。
・2012年 単年度収支(-100万円)、年末時点資産残高(3000万円)
・2017年 同上 (-140万円)、同上 (2078万円)
・2022年 同上 (-183万円)、同上 (1556万円)
・2027年 同上 (-231万円)、同上 ( 497万円)
・2030年 同上 (-263万円)、同上 (-259万円)
結果はこのようになり、
今から18年後には借金生活に入ってしまうことになります。
(特に2022年以降の資産の減り方に注目してください)
ではさらに上記の条件で、
30年後も資産をプラスに維持するため、
年率 何%の資産運用が必要か計算してみましょう。
20012年のスタート時点の資産3000万円を、年率5.3%で複利運用した場合、
下記のようになり30年後にちょうど資産を使い切ることになります
(逆に言えば、年率5.3%の資産運用が必要ということです)
・2012年 単年度収支(-100万円)、年末時点資産残高(3000万円)
・2017年 同上 (-140万円)、同上 (3202万円)
・2022年 同上 (-183万円)、同上 (3231万円)
・2027年 同上 (-231万円)、同上 (3012万円)
・2032年 同上 (-285万円)、同上 (2444万円)
・2037年 同上 (-343万円)、同上 (1395万円)
・2040年 同上 (-382万円)、同上 ( 464万円)
少し長くなってしまいましたが、
このようにインフレ率と資産運用の必要利回りの関係は簡単には計算できず、
上記のインフレ率2%のケースでは、
毎年 5%以上の割合で資産を運用してゆかなくてはインフレを克服できないという事になりました。
この例でお解りいただけたように、インフレ率と資産運用の関係は
1.資産運用開始時点の保有資産
2.将来の収支バランス
この2つの要素の組み合わせによって、
非常に複雑な動きを示すことになります。
例えば上記のケースで、
スタート時点の資産を3000万円から2000万円に下げると、
必要利回りは年率5.3%→8.5%に上昇します。
またスタート時点の資産を1000万円に下げると、
必要利回りは一気に 15.7%に上昇してしまい、
しんどい状態といえるでしょう。
逆に4000万円でスタートする場合、
必要な利回りは 3.5%まで下がり、
これならそれほどリスクをとらずに運用できることになります。
要するにまず発射台は少しでも高いほうがよいわけです。
この試算は人それぞれ、
微妙な収支のバランスや現在の資産残高によって大きく異なってまいります。
そんなこんなで
ここ数年の(かなり長いですが)
デフレマインドを一旦はずして
インフレを想定した資産運用も考えてみてはいかがでしょうか。
という、このタイミングでの提案でした。