ついに手術回です。スローペースの振り返りですみません
甲状腺右葉摘出+リンパ節郭清手術です。
手術室の手前で、廊下で待っている両親と一瞬だけすれ違えました。「頑張って!」と声をかけてもらった記憶。
今までは母のみが付き添いでしたが、手術は何があるかわからない、とのことで、父も一緒に来てくれました。PCR検査を受けていないので、近づいてガッツリ喋ることはできません。
ちなみに、家族はたしか手術20分前くらいに来ればOKと言われました。説明の紙には1時間前と書いてあったので、とにかく余裕を持って来たら大丈夫だと思います。
手術室前でオペ看護師さんと再会し、生年月日などで本人確認をしました。その後、シャワーキャップのようなものを被って、髪の毛を収納。
手術室前の緊張感に、オペ看護師さんってこんな現場に毎日いるのか…と改めて尊敬しました。
手術室の扉が開き、「中はこんな感じです」としばらく見ていられたのですが、
「ドクターXで見た光景!!ドラマでよく見る手術室だ!!本物だあーー!すごーい手術室の扉の開き方もかっこいい…!」とはしゃいでいたら、
「るんさん、緊張とかしないの?」と看護師さんたちにびっくりされました
きっとこの時点で、ドキドキして倒れそうになる人や、取り乱してしまう人など…いるのかなと想像しました。
その後、病棟看護師さんとお別れし、手術台まで歩いて行き、上って横たわりました。
気になっていた、手術室で流してもらう「流行りのJ-pop」ですが…
「ドライフラワー」でした
優里か…!絶対そこらへん来ると思った…!すごい好きな曲だけど、手術時にこの曲どんな気持ちで聞いたらいいんだ…!と心の中で爆笑。
麻酔科医さんはじめ、初対面の方々は挨拶をしてくれた気がします。
その後は、まな板の鯉状態。
首をそって固定され、「手に○○つけます!」「足に○○つけます!」「頭に○○つけます!」と四方八方からどんどんと装着され、
酸素マスクのようなものが顔の前に来て、
「ではゆっくり深呼吸してください。」
うんうん大丈夫。コンサートの本番よりは緊張しない。あとはよろしくお願いします…!
「では麻酔入れていきます。」
「○○(麻酔の名前)入れます。」
これで左手の注射から麻酔が入りました。
ここまでは言葉を聞いていましたが、すぐ麻酔が効いて、眠りにつきました。
本当にあっという間だったので、曲もドライフラワーの後は何が流れたのかわからず。
全身麻酔が効くと自発呼吸が止まるので、喉に挿管をして呼吸を管理。
尿カテーテルを付けて、手術スタートです。
甲状腺の手術では、とにかく声帯を守ることがキーポイントになるようです。
声の神経は、たしか電流のようなもので刺激し、神経の場所を確認しながらの切除手術になる、と説明を受けました。
……「るんさん!!」
名前を呼ばれて はっ!!と目覚めて、まず「あれ、ここどこだっけ?私何してたんだっけ?」となり、
「あっ!手術してたんだ!終わったのか!」となりました
なにかの夢を見ていたけど、鮮明に思い出せず悔しい…!
たくさんの人たちに囲まれていました。目覚め方もしっかり確認するのですね。
無事に終わりました〜これから移動しますね〜の呼びかけに「はい!」と答えて気がつく。
「あ!!声出る!!」
一番心配されていた反回神経麻痺、とりあえず地声は無事なことにここで気づき、
回復室へベッドごと運ばれる時に廊下で会った両親へ、「声出る!声出るよ!!」と必死の呼びかけ
この時点で、元の声がしっかり出てました。
目覚めてすぐそれが気になったので、本当にものすごく心配だったのだなと改めて気づきました。
のちに先生から説明を受けますが、
・声の神経がしっかり見えたので、上手く避けられた。
・傷痕は、なんと3cm強の小ささ。
・リンパ節への浸潤もあまり無く、最低限のリンパ節切除で済んだ。副甲状腺も無事温存。
という、大成功の手術でした。
声は出るけど…イガイガする
私の場合、元から喉が弱いのもあって、全身麻酔のための挿管のダメージがとんでもなかったらしく、
表現すると「すっぱいものが変な方に入って咳き込みたい時の、あの苦しい感じが永遠に続いている!喉がゼーゼーしている」という地獄でした。
咳き込みたいけど、首に負担をかけると血が溜まったり再手術の可能性があるので咳き込めず。
息がものすごく細くしかできず、苦しかったです…
傷の痛みをほとんど感じないくらい、喉が辛かった…!
回復室に移ると、病棟看護師さんと再会。
手術後は手術着も薄かったりなので、電気毛布で温めてくれてあるのだけど、「暑いですか?温度下げますね。」と下げてくれました。
ベッドが30°くらい頭が上がるように傾斜がついた状態なので(首をそらせないため、ということもある)、なんだか仰向けでいるのがきつくて、
「ちょっと体勢変えますか?」と看護師さんが掛け布団をクッションのように体の下に入れてくれて、少し横向きになったら楽になりました。このクッションは自由に動かして良かったので、次の日まで重宝しました
家族は手術後すぐに、先生から実際摘出した甲状腺と、腫瘍の中身まで見せてもらい、説明を受けたそうです。それから、摘出したものたちはすぐホルマリン漬けになるため、私は実物は見られません。
手術自体は本当に1時間半ぴったりで終わったようですが、そこから時間をかけて目覚めさせるようなので、
(回復室へスマホとワイヤレスイヤホンを持ち込んでいいか、事前に確認し、許可をもらいました。同室の方にも影響が出ないように、絶対に事前確認した方がいいと思います。)
本当は「絶対安静」なので、スマホをいじるのも安静に入らないそうですが…
ある事情もあり、この日はスマホ使用が許可されました…!
さあ、ここから地獄の(今となっては伝説の)回復室での一晩が始まります