動物の皮をはぐような事は
したくないがそれが僕の仕事

だとしたら誇りを持てる。

誰よりも手際よくゆえに仕上がりも美しい。
自分にしか作れないものを持つという事は
どれだけ厳しく誇り高いことだろう。
甘美な夢…

軒先には野菜か何かがつるされている。
僕の作った物を目当てに遠くから訪ねてくる人もいるそうだ。
仕事でないなら絶対にやりたくはない。

やってはいけないことだとすら思っている。

しかし仕事なら別。
全く別のことだ。
なんて誇り高い仕事、必ずその手際を手に入れるだろう。
仕上がりの美しさは筆舌に尽くし難い。

最低限の手を触れる回数で僕はそれをやれる。
それでも血は手につくだろう。
それは山の水で洗い流さねばならない。
シダ、コケなどにも囲まれたような斜面に鉄を突き刺し水を組み上げる。その山の水で手を洗えば僕がきれいになる。
人工的に右側に傾いて飛ぶ蝶
心を囚われ見守る子供

彼は外国で生まれた子供だろう

やさしくそっとつかんだのに

右の羽はもろく崩れた

美しいと褒められ続けた少女は

不機嫌だったのだ

罪の意識が生じることは

そもそも発想としてない

罪は蝶の脆さにあると

信じて疑はない  純粋そのもの

人間の代表

ほこり舞い上がる道を

裸足で走ったのは

兵士が銃を持っていたからだ

夏はまさに終わらんとし
昨夜に台風は遠きに過ぎ去る

澄み渡る青い空

雲はどこまでもどこまでも

ただ飛ばさる

さも楽しげなる様

何事にも思い煩うことのない

幼児のごとし

われはなぜか懐かし

太陽の全けん日 蝉もなく声をやめ

静寂を呼ばわるはたれぞ

われは忘れ得じ

ななとせの夏 祖母の傍にてききしこと