※ネタバレあり。
【新たなミッション】
ドラマシリーズを経て、立派な戦士となったマンダロリアン=ディン・ジャリンとグローグーと共に挑む新たなミッションが描かれる。
面白かった!
ドラマシリーズとは異なるディン・ジャリンとグローグーの戦士として「対等な関係性」、そして息の合った連携。大雑把なディンと、細かく気の利くグローグーの親子漫才的な掛け合い。バディもののアクション映画として賑やかで楽しい。
キャラに変化がないという批判も目にした。ただ、本作はドラマシリーズを経て「既に成長しきったキャラ」が「他の誰かを助ける」という段階を描くもの。だからこれで良い。いわば、ジャンプ系アニメの劇場版的な位置付けだ。
血縁はなくとも絆のあるディンとグローグー親子が、ハット族の血縁に纏わるお家騒動に切り込む形でドラマの主軸を構成、その過程に剣闘士、プロレス、カーチェイス、ドッグファイト等エンタメ要素を爆盛。堅実なドラマと楽しさの両立が果たされた。
世界の命運を背負わないというのも新鮮。あくまでディンとグローグーは日々の生活のために戦い、大義を掲げるわけではない。自分たちの日々の生活に懸命だからこそ、彼らの行動に「臨場感」が生まれる。
近年の大作映画は様々なキャラを売り込みたい戦略から、どうしても「群像劇的」なものになりがちだが、本作は徹頭徹尾ディンとグローグーに焦点を当てる。そのため、とても見やすく臨場感があった。
【臨場感あふれる戦闘】
闘技場のシーンも良かった。様々な体格の者たちを相手に、多彩な武器を駆使して食い下がるディンのアクションは見ごたえあり。例えばヒーロー映画のアクションは、一つの能力の活用の幅を広げる形で進化する一方、ディンのアクションは多彩な武器を器用に使い分けることで描かれる。
次はどんな戦い方を見せてくれるのだろう?そんなワクワク感がディンのアクションの魅力だ。ドラマシリーズでおなじみのベスカー・アーマーの耐久力のゴリ押しも健在。粗削りだからこその臨場感あふれるディンの戦闘スタイルを大いに楽しめるのも僥倖だった。
【新しい魅力】
ディンとグローグーの絆はしっかり積み重ねられる一方、過度に過去を引きずりすぎない作風も良かった。
そもそも根幹となる作風を大胆に刷新していくのが本シリーズの強みだった。
シーズン1では西部劇的なハードな作風、シーズン2はスターウォーズの王道に接近するスペースオペラ的な作風、シーズン3では祖国の奪還をかけた戦記ものとSFドラマ的なエピソードの混成。
そして劇場版たる本作はディンとグローグーの賞金稼ぎ親子コンビで送る、王道のアクション活劇となった。
キャラを継続しつつ新しい魅力を提示し続ける本作を、まだまだ追いかけたいと思わせるには十分な魅力あふれる一作だった。
