※ネタバレあり。

 

第一話

 
冒頭、酒場での諍いに割り込むマンドー。正義のヒーローかと思わせつつ、賞金稼ぎとしての目的が明らかになる。ライトサイドでも、ダークサイドでもない。本作のマンドーの賞金稼ぎとしての立ち位置が定義されるスマートな導入。敵を倒す無慈悲なファイティングスタイルにも惹き込まれる。
 
荒涼とした風景描写もこの時点のマンドーの心象であると考えればすんなり飲み込める。賞金首の軽口と硬派なマンドーの対比でマンドーの描写が定まるのもスムーズな作劇。運び屋があっさり命を落とす描写も無慈悲な世界観の説明に一役買う。
 
頑張って同情を買おうとする賞金首を無慈悲に冷凍するマンドーは、思わず悪役と錯覚するほど。この容赦ない描写に、スターウォーズ本編とは異なる独自性が宿る。
 
そしてマンドー、凄腕ではあるが、決して無敵ではない。ふとした瞬間の気の緩みなどで窮地に追い込まれることもしばしば。実戦的な戦闘術を導入し無駄のない洗練された戦闘が溢れる昨今のハリウッドだからこそ、人間的な揺らぎを感じさせるマンドーの戦闘にはより引き込まれる。
 
傷を癒す、動物の背に乗り移動する。尺の限られる映画では真っ先にカットされそうな描写を丹念に拾うことで、近年の映画で失われがちな没入感を取り戻すことに成功している。
 
そして往年の西部劇を現代的にブラッシュアップしたかのような銃撃戦は圧巻。しかし特筆すべきはラスト。獲物として始末を命じられた対象が子供と分かり、マンドーは子供の命を救うことを決断する。自らが不利になることも顧みず。これまでひた隠しにされてきたマンドーの人間味がラストに炸裂し、マンドーとザ・チャイルドの出会いで本作の役者が揃うのだ。
 
改めて振り返ると、この頃の材質の統一されていないマンドーの装備も良い。賞金稼ぎとして不安定な彼の立場を象徴するかのようだ。
 
第二話
 
マンドーの船のパーツが盗まれることから始まる。移動要塞をよじ登りつつ上から横から矢継ぎ早に攻撃を受けつつ反撃を模索する立体的なバトルは見応えあり。
 
仲間への恩義を素直に口にしたり、発音をからかわれムキになるなどマンドーのキャラクター描写も更に掘り下げられる点もポイント。
 
一番の見せ場の猛獣との戦いの中、示唆されるザ・チャイルドの秘めた力。冒頭の、自らを庇った結果のマンドーの傷を気にかける描写と対応する形で、マンドーを守ろうとしてザ・チャイルドの力が発揮される。
 
本シリーズのメインテーマとなるマンドーとザ・チャイルドの絆がここに始まるのだ。
 
第三話
 
これまでのエピソードでマンドーの紹介とザ・チャイルドとの絆の始まりが描写された。続く本エピソードではギルドと対立してでもザ・チャイルドを守り抜くマンドーの決断と、その決断の背景となる集団としての「マンダロリアン」が掘り下げられる。
 
教義で繋がる戦闘集団。恐れられる彼らだが、子供は見捨てない。彼らの矜持が行動で示されるクライマックスは胸を打つ。ザ・チャイルドを守るための孤独な戦いに身を投じたマンドー。彼の窮地に駆け付ける、マンダロリアンの戦士達。
 
ここまで無慈悲な世界観が徹底されてきたからこそ、善意が原動力となる本エピソードは印象的だ。
 
マンドーのファイティングスタイルが定まるのもポイント。闇に紛れつつ多勢を圧倒する。さまざまな武器を臨機応変に使いこなす。無敵出ないからこそ、戦略的に組み立てられるアクションは圧巻の見応えだ。
 
第四話
 
特にお気に入りのエピソードだ。ギルドから賞金をかけられ逃亡者となったマンドーは、偶然見つけた辺境の惑星で、ザ・チャイルドと共に束の間の休息を取ろうとする。
 
そこで帝国軍の残した兵器を駆り、農民から搾取をする武装集団の存在を知る。農民からの依頼を受け、元軍人のキャラ・デューンと共に農民に戦闘術を教え、共に武装集団を退けようとするマンドー。
 
農民との交流の中、罪なき人々や子供達に優しいマンドーの側面が掘り下げられる。平和に生きる道も示唆されるが、長く戦いの中で生きてきた彼は自らが平和には馴染めないと誰よりも理解している。マンドーの優しさと謙虚さを理解し、マンドーに寄り添うキャラの配慮も胸を打つ。凄惨な世界観にふとした瞬間に垣間見える優しさの描写が映えるのだ。
 
第五話
 
今回は極めて焦点の絞られたエピソード。賞金首相手の狙撃戦がメインに据えられる。マンドーに仕事を持ちかけた相手の信用できるかどうかの駆け引きもあるが、中心となるのは強敵を相手とした狙撃戦。
 
少しでも隙を見せれば即座に始末される。如何に相手に隙を作らせ、距離を詰めるか。第四話と異なり、人数が絞られるからこそ戦闘の緊張感はより際立つ。また、前エピソードが「信頼」をテーマとしたからこそ、今回の「疑念」をベースとしたマンドーと協力者の駆け引きも際立つ。エピソードの多様さこそ本作の真骨頂と実感させられる。
 
第六話
 
かつての縁から引き受けた、監獄への潜入の仕事。しかし、共に取り組むこととなる同行者たちには内に秘めた思惑があり、疑念は加速していく。

信用できない複数人に囲まれる閉塞感が、過去最高クラスの緊張感を演出する。マンドーの孤独感も際立つ。人の温かさを描いた第四話と本エピソードは対極。人の多面的な在り方を網羅的に描くのも本作の特色だ。

クライマックスでは本性を表した同行者相手にマンドーも一切の容赦をなくす。闇に紛れつつ一人、また一人と確実に始末していく様は視聴者にも恐怖を植え付ける。ザ・チャイルドへの優しい振る舞いで忘れかけたマンドーの危うさが鋭い筆致で描写される。描写のメリハリの巧さに唸る。

第七話
 
最終章前編。終わりなき追跡からザ・チャイルドを守るため、マンドーはあえて敵陣へ乗り込む。

第八話

最終章後編。モフ・ギデオンの策略による窮地。取り囲まれたマンドー達は、助っ人のIGの奇襲を活路とし、反撃に転じる。