折に触れて読み返す手紙がある
意識的にではなく、大掃除の度に見つけてしまうから、
つい、読んでしまう
そんな手紙がある
彼女からの手紙は
これまでにもう何通もらったか分からない
内容も全部は覚えていない
ただ、彼女からの手紙を読み返すたび、
自分と彼女との距離を感じてしまう
遠く離れてしまって姿が見えないのか
背中合わせに居て姿が見えないのか
それは分からないけれども、
小さかろうと大きかろうと、そこに距離があることは分かる
彼女は、言葉に頼りすぎていると感じる
1から10まで話せば、
相手が分かってくれると信じている
けれど、1から100まで話しても、
分かってくれる相手などいないだろうとも思っている
それから彼女は、私に期待しすぎていると感じる
彼女の手紙は、1から始まって大抵3くらいで止まる
伝えたい結論があって、
その結論に至る道程があって、
けれどそれを順序よく並べられずに、
結局3くらいで放棄してしまっている
それを、私に推測して理解しろと言っている
私が彼女に返信を書くことはない
ただ、折に触れて彼女のことを思い出し、
彼女が私に伝えることが出来なかった結論を
私が代わりに出せるものなら出そうと
そう思うだけだ
そして、また3で止まってしまう手紙を書いてしまうに違いないと思う
近い未来、それを読んだ私はきっと苦笑いするしかないのだろうけれど。