最近、神智学の本の内容がわからないというコメントを
見かけます。

これは必ずしも、翻訳者のせいではなくて、最近のいわゆる「スピリチュアル本」の内容が
あまりにも軽い内容になっているのが影響していると思います。
平易な言葉で書かれている本でも、いい内容のものがもちろんあります。
しかし神智学では一般の人が思いもしないような概念を伝えようとしていますので、どうしても、特別な用語を用いながら、その概念の説明をすることになります。

そういう著作であるので、日本人の大多数の読解力が低下している現状では、読みにくい本と感じているのだと思います。
以上の現状がありますので、一番大きな理由は、読む側の問題だと思います。


次の問題としては、翻訳の問題もあります。
神智学に、多数の誤訳と錯誤があるのは、確かです。

しかし、この問題も思考を深めることができる人は、不自然さに気がつくことができます。
単なる翻訳業者の翻訳であったならば、致し方のないところも神智学文献の文章にはあります。
原本の編集上の問題があるからです。

もともと神秘家が語った内容を、最初の文書化をした人がいて、それから本になったものをある程度の時間の経過後、別の人が再編集していているのは明らかです。それに加えて原語のロシア語、アルメニア語などから英語版にするプロセスもあります。

編集者の理解力の範囲内で、編集が行われています。これには悪意があるわけではないのですが、誤解や錯誤が入り込む余地があります。実際、誤解して編集したところがあります。用語の選定にも、ミスといっていいところがあります。

私が持っている英語原本は2種類あるのですが、二つを比べると章立てにも変更があるし、内容にも手が入っています。

神智学の本が読みにくい理由は以上のことが関係しています。