監督 ブノワ・ジャコ
フランス王妃マリー・アントワネットの朗読係として仕えていたシドニー。
王妃を敬愛し、心から献身していた。
ある日、バスティーユ襲撃がきっかけとなりフランス革命が始まる。
民衆による糾弾を受けていた王妃の同性の愛人であるポリニャック夫人に、王妃は国外から逃げるよう説得する。
ポリニャック夫人は召使いに成りすまし、王妃はシドニーを夫人の身代わに指名する。
こうして宮殿から追放されてしまったシドニーは、朗読係でもなくなり、もはや何者でもなくなってしまうのだった。
見返りを求めず、ただただ王妃に傅くレア・セドゥ扮するシドニーの眼差しは、とてつもなく色っぽく、寒気がするほど綺麗です。
シドニーの、王妃に心酔しきっている瞳。
ポリニャック夫人への愛を語る王妃を見つめる真っ直ぐな瞳。
夫人の身代わりになるよう命じられた時の、悲しみに打ちひしがれた揺れる瞳。
シドニーの瞳を通じて物語が展開して行くように思うほど印象的だった。
正直、マリーアントワネット役の女優とポリニャック夫人役の女優が霞んでしまうほど、使用人であるシドニーの存在感は物凄い。
ポリニャック夫人に成り代わったシドニーの凜とした佇まいには胸が熱くなります。
この映画は、フランス革命の話を大々的に伝えている映画では決してない。
それに関わった一人の女性の話、というのもどこかしっくり来ない。
受動的な人間と、受動的な人間が織りなす一種の悲劇のように思います。
ヨーロッパならではの国民性もとても興味深いものがありました。
実際にあった事なのか、フィクションなのか、そんなことは重要じゃないと思える映像美です。
いやあ素晴らしかった。

