"little magazine"

"little magazine"

架空の雑誌"little magazine"のライターとして、詩や自由奔放な散文を書いてます:)

本当に久しぶりに

体調が悪くなってしまった・・


久しぶりの過呼吸、

久しぶりの予期不安、

久しぶりの涙腺崩壊、


原因は、隣人の独居老爺の悪戯だった。


ある日、自転車に乗って

買い物に行こうとすると、

「なんか変だなぁ・・?」 と、違和感を感じた。


後輪の空気が抜けてる気がした。

空気を入れると、ちゃんと走る。

タイヤが劣化したのかな?と、思った。


ある日、後輪の空気が抜けて、

ぺしゃんこになっていた。


その時、初めてこれは「悪戯」なのだと気づいた。


悪戯を防ぐ為に、カバーをかけ、

自転車の回りにブロックや鉢植えを置いた。

そして警告文も張り付けた。


「これでもう大丈夫だろう」

と思っていた私が甘かった・・



翌日、ポストに入っていた新聞を抜き取られ、

廊下にばら撒かれていた・・


そして、自転車のカバーを

ビリビリに破かれ、パンクさせられていた・・


あの衝撃的な光景に私は唖然とし、

隣人の老爺の狂気に震えた・・


「完全に狂っている・・」


老爺は前々から夜中に暴れてはいたのだが、

天涯孤独で、障害もある老爺への

憐れみもあり、ずっと我慢してきた。


何故、標的がウチなのか?

理解に苦しんだ・・



今回の事件について、出来る限りのことをした。

区役所、高齢者保健センター、

住宅局、警察署へ出向き、全てを報告した。


 しかし全て、

「為す術なし」という返答だった。


隣人が狂人である以上、一切

刺激してはいけないとアドバイスされた。


ここで私が隣人と戦ってしまうと、

最悪のケース、

私の身に危険が及ぶ可能性があると。


狂人であっても住宅に住む権利はある。

そして、100%の証拠も残ってはいない。


とにかく静観するようにと、

そして万が一、身の危険を感じたら、

迷わず110番するよう言われた。



仕方なく、

自転車を家の中にしまうことにした。

家のなかが狭くなってしまうが、

これ以上自転車を壊されるよりずっとマシだ。


家のなかに自転車を入れることで、

随分と心が落ち着いた。



それでもやはり、時折

あの過激な仕打ちを思い出しては、

隣人への憎悪の念がわき起こってくる


私の頭は混乱し、

物を置き忘れたり、

靴を間違えて履いたり、

毎日のルーティンワークも間違えてしまったり・・


完全に心神喪失の状態になってしまった。


そして、不眠に苦しみ、

毎晩のように悪夢を見るようになり、

過呼吸の発作が始まった。



メンタルクリニックに受診に行くと

主治医は区や警察の対応に怒っていた。


他にも消費者センターや、

都庁に相談窓口があるから

行ったほうが良いとのこと。


薬をいつもより多めに出してもらった。



そんななかで、

私が唯一、心癒されたのが

Dの存在だった。


時折、Dから届くメールに

どれだけ心が救われたか、わからない。


Dにはこの事件の話はしなかった。

ただ、お互いに冗談を言ったり

近況報告をするだけだった。


そして私の混乱した心を

落ち着かせてくれたのが、

ポケモンカードだった。


仕事の帰りにBOOKOFFへ行き、

1枚33円で売っている中古の

ポケモンカードを見に行くことで、

何とか心を平穏に保つことが出来た。


隣人への憎しみも、

ポケモンカードを眺めていると

だんだんと落ち着いていった。


笑ってしまうキャラもあり、

可愛さ満点のキャラもあり、

不気味なキャラ、不思議ちゃんキャラ、

いかにも男の子が好きそうなキャラ、


そして、伝説のポケモンキャラ。


伝説のポケモン人気ランキングを調べ

そのトップ20に入っている

カードを見つけた時の喜びといったら・・

もうガッツポーズするしかない!


頭のなかでは

『めざせポケモンマスター』

が流れ始める。


「たとえ火の中水の中草の中森の中

土の中雲の中あのコのスカートの中

なかなかなかなかなかなかなかなか

大変だけどかならずgetだぜ! ポケモン getだぜ! 」



世界中の人びとが何故、

そんなにポケモンを好きなのか?

今回の事件でよくわかった気がする。


《 現実の苦しみを忘れさせてくれる 》


それだけの力が、ポケモンにはあるのだ。



少し隣人も落ち着いてきたのか

最近は暴れなくなった。


少しは悪かったと、思っているとは思う。

やり過ぎたなと、思ってはいると思う。

否、そうであって欲しい。

少しは人間の心を持っていると信じたい。


今回の事件で、

Dには本当に支えてもらったので、

お礼にカービィのステッカーと

ポケモンカードを送ることにした。


Dに「手紙を送ってもいい?」と

メールしたら、速攻で

「もちろん!嬉しい!」と返事がきた。


フランス人というのは、

打ち解けると本当に愉快で陽気。


冗談ばっかり言うし、

お喋りが大好きだよね。


「あなたは私のエネルギーだよ」 と伝えたら、

「そんなこと言われたら感動する」と照れていた。



私たちは恋人ではない。

友達だ。


年が随分離れているせいか、

彼のワガママも許せてしまう。

私は時々、彼のママンのような気持ちにもなる。


でも男と女だから、

正直、性的な感情も持っている。


「いつか会えるといいね」

とは言っているけど・・


どうなるんだろうね? 


ただ、今、こうしてDとやり取りしている

この時間は、かけがえの無いもので・・

この先の私の人生を支える杖

となることは間違いない。


Dとの出逢いは、私にとって

まさに、「奇跡」だった。



さぁ、またフランスに手紙を送らねば!

伝説のポケモンカード、

Dは喜んでくれるかな・・?


いつも本当にありがとう!

" Tu es mon énergie ! "